アイツが天国から還ってきた 夢幻のマッドマックス Millennium編

The goal of all life is death. 凄惨な事故による心肺停止状態から仮初めの命を与えられ、アイツが天国から還ってきた。アイツは夢か幻か?だがアイツは残り少ない時間を自ら削って死に急ぐ。これはアイツの命が燃え尽きて灰になるまでの記録である。この命の終焉の刻まであと僅か・・・全ては時の中に・・・

第35回大分県チャレンジサイクルロードレース 私の命あるうちに・・・#4

【POWER】

 The battle will bigin now...

                                    Power to me...

別カテゴリーのレースがフィニッシュを迎えた。

さすがはサーキットのレース、チェッカーフラッグは綺麗なお姉さんが振ってくれます!

「良いな~俺もチェッカー受けたいな~」

「お前もゴールしたらあの綺麗なお姉さんがチェッカーフラッグ振ってくれるぞ、だから頑張れよ」

「よーーし、オレッち出撃!頑張るぞ!!待っててね!チェッカーお姉さん!!」

最近、FBで各方面から「マックスさん、鼻の下伸びてる(笑)」と言われているのに、コイツときたら・・・。それに、さっきは逃げ出そうとしていたのに・・・なんという単細胞・・・それでいいのか?マッドマックスよ。

次は、いよいよマッドマックスの出走するカテゴリーのスタート時間だ。

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 「マックス、もう一度確認だ。このコースの特徴は?」

「試走した感じだと、ホームストレートは緩やかだが長い登りで、その後の第1コーナー、第2コーナーあたりまで若干登ってるな。そこからは下り区間に入って、高速のS字コーナーを曲がっていって、平坦区間、その後最終コーナーへと続いている・・・大雑把にいうとこういうコースだ。」

「試走のお陰でコースレイアウトは大丈夫だな。私たちは大分県選手・チームの情報が全くないので作戦の立てようがないが、大分県選手達も私たちがどんな走りをするのかはわからない。」

「チーム戦をやられたらどうにもならないけどな・・・」

「まあね。でも、私たちの有利な点もあるぞ」

「へえ~?是非教えて欲しいね(笑)もしあればさ」

そして私はマックスを指差す。

「俺?どういうことだよ?」

「いや、お前じゃない、ジャージだ。その温泉同好会ジャージだよ。どうみても温泉好きが集まってできた同好会のメンバーが、健康増進のために運動始めましたよ~♪テヘ・・・としか思えない。そこに大分県選手の油断ができる」

「その作戦は、去年の広島のレースで無印ジャージでやったヤツのパクリだろ・・・」

「その通りだ。あの時、無印ジャージを着たお前は、他の選手の眼中から消えて無くなった。その結果、ゴールスプリントで2位を掻っ攫うことができたじゃないか!!地元山口県や、同じレースでこの作戦は2度と使うことはできないが、ここは大分だぜ(笑) 今回は大丈夫だ!行け!マッドマックス!GO!マッドマックス!あの時の再現だ!」

「いつもながらセコイ作戦だな・・・」

「しかけるポイントは私がインカムで伝える。私の指示通りに走れよ」

「OK、相棒。頼りにしてるよ」

と、ブツブツ言いながらもスタートラインにつくマックス。

スタートまでの待ち時間中に周りの大分県選手達と雑談をするマックスだが・・・

「私、山口県から来たんです、大分の温泉巡りが目的なんですけどね。昨日も入ったんですが素晴らしい温泉ですね!今日は、温泉巡りの前に少し汗を流してから、その汗を温泉で流そうと思いましてね~あはは」

 この会話を聞いた周りの大分県選手たちは、マックスのことを確実に「ド素人」と認定して眼中から無くなったことだろう。

 役者だな、マックス。

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  そしてレースが始まった!クリートのキャッチは一回で決まって集団先頭付近に出ることができた。

 ホームストレートから第1コーナーへと向かい、選手がポジション争いで横に広がる。アウトから一気に加速して先頭に出る選手も現れ、1周回から激しいバトルが繰り広げられる!

「マックス、さっき落者もあったことだから先頭付近をキープして様子を見ろ」

「了解。これから下り区間に入るぞ。死なないように祈っていてくれ」

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 集団となった選手が猛スピードで下っていき、S字コーナーへ飛び込む。ライン争いが激しく一瞬たりとも気を抜けない!

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 マックスはきららスペシャルの下ハンを握り、重心を低くして高速コーナーをクリアしていく。きららスペシャルのセッティングはこのコースに完全にマッチしている。ハンドル位置、ギア比も完璧だ。予備のステムもスプロケもシートポストも持ってきてないので完全な偶然だったのだが、まあ、結果オーラってやつだ(笑)