【ケープコッド編#5】 黄昏のケープコッド
【時の止まった場所】
”私”はバイクを走らせる。
エメラルドグリーンの綺麗な海が続く海岸沿いの国道を独り走り続ける。
太陽は既に傾き、気温も下がって肌寒くなっていた。
ケープコッドに辿り着くころには何時になっているだろう。
幸いにもこの道は交通量も少なく、信号も殆どない。
残りのガソリンが少なくなってきたが、かまわずに先を急ぐ。
岬の入口の交差点を左折してしばらくそのまま進んでいくと・・・あの場所に辿り着いた。
あの頃と何も変わらない。まるで、ここだけ時間が止まっているかのような錯覚を起こしてしまう・・・。
”私”はエンジンを止めてヘルメットをバイクの上に置き、周辺を見回すが・・・誰もいない。
かまわずにバイクからおりて海の方へ向かって歩いていく。
果たして・・・岬の先端、断崖付近に人影が見えた。
ゆっくりと岬の先端に向かって歩いていく。
”私”「・・・こんなところで釣りでもしているの?」