【ケープコッド編#7】 全ては時の中に・・・
【破滅へのカウントダウン】
もう限界だな
絶え間ない激痛、満足に動かすことができない身体、そして・・・完全に動かなくなった左腕
痛みを認識し始めてから常に痛みに苦しみ続けている。
最初は命あることに感謝し、早く完治することを願って耐えることができた。
しかし、終わりの無い痛み、立ち上がることすら難しく、そして例え退院できても元通りに動くようになるかわからない左腕・・・
いつしか、生き残ってしまったことを後悔している自分に気がついていた。
あの時・・・いっそ死んでいればこの痛みも・・・未来に絶望することもなかったのに・・・何故助かってしまった・・・?
ベッドの上から窓の外を見る。既に外は暗くなっている。そして激しい雨が降り出した。
おや?この光景はどこかで見たことがあるような気がする・・・何だったかな?・・・でももういいか・・・
溜息をついて視線を下へ落とすとベランダの手すりが見えた。
・・・この病室は確か病院の3階か・・・
あれからずっと、この激痛から、苦しみから、逃れる方法を考えていた・・・もう楽になりたい・・・安らかになりたい
今まで何度も見つめては目を逸らしていたベランダの手すりから、今は目を逸らすことができない。
私「全ては時の中に・・・」
・・・どこかでドアをノックする音が聞こえたような気がする・・・・
でも、もう何も聞こえない・・・もう何も見えない・・・