天国から還ってきた男 マッドマックスの微妙な冒険

残された僅な時間を更に削って死に急ぐマッドマックス。これは彼の命が燃え尽きて灰になるまでの記録である。全ては時の中に…

マックス VS モンティナ #2

【イニシャルD】

スタートラインにつく2台のロードバイク
 マッドマックスのバイク「インターセプター」は10年前のエントリーアルミバイクをチューンアップしたものだ。10速時代のコンポとフレーム以外の全てのパーツを交換している。そしてフロントフォークはコラムまでフルカーボンの高性能なものと交換済みだ。インターセプターは既にマシンの限界まで改造しており、これ以上のチューンアップは望めない。残さた改造と言えば、もはやフレーム交換のみだ。

 一方、モンティナのバイク「ホワイト・パーシュートスペシャル」は昨年の年末激安セールで購入したエントリークラスのフルカーボンバイクだ。ジオメトリはコンフォートであるが、ダンシングを得意とするモンティナのスペシャルチューンが施してあるため、別名「ソードダンサー」と呼ばれている。
 
モンティナ「マックス・・・インターセプターが良いマシンなのは認めるよ。ただし、10年前ならね。チューンアップしているが、それでも10年前のマシンが、8年前のマシンになった程度だろう。しかもペダルはMTB用を付けているじゃないか。それで最新のフルカーボンバイクとどうやってバトルする気だ?」
マックス「フフフ、お前は頭文字Dを知らないのか?」
モンティナ「・・・イニシャルDは知ってるがそれがどうしたんだ?」
マックス「あのマンガの主人公は古くて非力なハチロク(藤〇豆腐店)で、最新のマシンと戦って勝ってるんだぜ!スゲーだろ!!」
モンティナ「・・・え!?あれはマンガの中だけの話だぞ。現実にはあんな展開有り得なから。それにあれは自動車だろ?」
マックス「それにな。世の中には主人公補正という特別な能力があるんだ!最後は主人公が勝つんだぜ!」
モンティナ「?? どこに向かってピースしてるんだ?あっちに何かあるのか?」
マックスがピースする方向を見るが何もみつからないため不審に思うモンティナ。
 マックスもモンティナもエンジンはどちらも中古のポンコツで大差はない。ということは、勝敗はマシンで決まるのか?

カウントダウン開始・・・・5,4、3、2、1、スタート! 
 ダンシングで一気に加速するモンティナ。そしてマックスもダンシングで加速していく。
 マックスがトップスピードに到達し、シッティングに切り替えて巡航に入る。
マックス「何!?」
 ところが、モンティナはまだダンシングを続けている。しかも、さらに加速していく。
マックス「馬鹿な!?まだ加速する気か?」
 モンティナがシッティングを始めた時には6メートルの差が付いていた。
マックス「なんだ?あの加速は・・・まるでバネのような伸びがある・・・これがフルカーボンという奴か?・・・チィ!!」
モンティナに追いつくために、シフトアップするマックス。序盤で脚を使うのは厳しいが、ここで引き離されたらゲームオーバーだ。
 一方、モンティナは高ケイデンスで巡航している。マックスがモンティナのドラフティングにつく頃、平坦だったコースは緩やかな上り坂に入る。


モンティナ「・・・」
必死についてくるマックスの様子をチラリと振り返るモンティナ。
 この緩い上り坂はある地点からいきなり斜度が上がって、ヒルクライムのようになる。そこを越えるとコースは中盤のアップダウンのあるテクニカルなコースに入り、終盤には平坦なコースが待っている。
 マックスは考える。モンティナはおそらく斜度が上がったところでアタックしてくるはずだ。なんとしても付いて行かないとこのままでは負ける。