もみのきサイクル耐久レース#6 謎のシクロクロス登場!!
赤の他人
マックス「ヒャッハーーーーーーーー!!!!」
軽快に下っていく暴走機関車マッドマックス号。
その時後ろから声を掛けられた。
後ろの選手の声「マッド!元気が良いじゃないか!」
どこかで聞いたことがある声だ。しかもマッドと呼んでいる・・・?
チラッと後ろを見るとそこにはアイツが居た。
いつものバイク・・・ガノーのシクロクロスに乗っている奴だ。
マックス「お前は!さ、刺身醤油!?」
刺身醤油「だーーーれが刺身醤油だ!!!!」
マックス「・・・チッ、お前参加してたのか!?スカーフェイス」
スカーフェイス「フフ、久しぶりだな、マッド!さっき受付でエントリーしてきたぜ!!夜露死苦!!!」
まさか広島にまでやってくるとは・・・油断した。
マックス「どうでもいいが俺をマッドと呼ぶな!!」
スカーフェイス「いやあ、朝寝坊してさ!ギリギリで到着したんで、大急ぎで会場受付でもらったゼッケンを付けて、最後列からスタートしたんだぞ~~。さあ、勝負だ!マッドマックス!」
シクロクロスで最後列スタートでここまで来たのか?相変わらず無茶苦茶なヤツだ・・・スカーフェイス。
マックス「ところで・・・何で今日もシクロクロスで参加したんだよ?」
スカーフェイス「フフフ、このシクロクロスはただのシクロクロスじゃあないんだぜ?見ろ!このタイヤを!」
マックス「・・・スリック?いやセミスリックタイヤだな。35Cくらいか?」
スカーフェイス「そうだ!今日はブロックじゃあないんだぜ!?すげーだろ!」
マックス「・・・・・・」
いや、呆れてものが言えない。いつもオンロードをブロックタイヤで走る意味がわからない。
スカーフェイス「お前が下りですっ飛ばしていくから中々追いつけなかったんだぞ!仕方ないからヘアピンカーブはグラベルに突撃してショートカットして追いついてやったわ!あっははははーーーー!!」
マックス「シクロクロスにそんな使い方が!?いや、それって反則なのでは?」
スカーフェイス「細かいことは気にするなよ(笑)それにな、俺は昔から曲がった事が嫌いなんだ!!」
それで曲がらずに直進してヘアピンカーブをクリアしたのか・・・無茶苦茶だ。やることなすこと無茶過ぎる。こいつと関わると碌なことにならんな。
マックス「ん?ゼッケンはついてるけど、計測チップはどこにつけた?」
スカーフェイス「計測チップ?何だソレ?受付でもらった袋の中のゼッケン付けたら、あとはゴミ箱に捨てたぞ」
マックス「・・・・いや、その袋の中に計測チップが入ってたはずだぞ。計測チップがないとタイムが出ないし、レース終了後に回収するんだが・・・」
スカーフェイス「なーーーにーーーー?やっちまったな、俺(笑)あっははははーーー」
マックス「何やってんだか・・・」
ダウンヒルが終わってホームストレートに戻ってきた暴走機関車マッドマックス号とスカーフェイス。計測ラインを通過してピットが見えてきた。
スカーフェイス「ちょっとゴミ箱あさってくるわ!じゃあな!マッド」
マックス「マッドマックスと呼べ。マッドマックスと」
そのままピットレーンに入っていくスカーフェイス。
マックス「あいつは一体なんだったんだろう?」
後ろの選手「あの~~今の人とお知り合いですか?」
マックス「いえ、赤の他人です」
良かった。アイツと離れることが出来て、本当に良かった。