アイツが天国から還ってきた 夢幻のマッドマックス Millennium編

The goal of all life is death. 凄惨な事故による心肺停止状態から仮初めの命を与えられ、アイツが天国から還ってきた。アイツは夢か幻か?だがアイツは残り少ない時間を自ら削って死に急ぐ。これはアイツの命が燃え尽きて灰になるまでの記録である。この命の終焉の刻まであと僅か・・・全ては時の中に・・・

もみのきサイクル耐久レース#6 謎のシクロクロス登場!!

赤の他人

マックス「ヒャッハーーーーーーーー!!!!」

軽快に下っていく暴走機関車マッドマックス号。

その時後ろから声を掛けられた。

後ろの選手の声「マッド!元気が良いじゃないか!」

どこかで聞いたことがある声だ。しかもマッドと呼んでいる・・・?

チラッと後ろを見るとそこにはアイツが居た。

いつものバイク・・・ガノーのシクロクロスに乗っている奴だ。

マックス「お前は!さ、刺身醤油!?」

刺身醤油「だーーーれが刺身醤油だ!!!!」

マックス「・・・チッ、お前参加してたのか!?スカーフェイス

スカーフェイス「フフ、久しぶりだな、マッド!さっき受付でエントリーしてきたぜ!!夜露死苦!!!

まさか広島にまでやってくるとは・・・油断した。

マックス「どうでもいいが俺をマッドと呼ぶな!!

スカーフェイス「いやあ、朝寝坊してさ!ギリギリで到着したんで、大急ぎで会場受付でもらったゼッケンを付けて、最後列からスタートしたんだぞ~~。さあ、勝負だ!マッドマックス!」

シクロクロスで最後列スタートでここまで来たのか?相変わらず無茶苦茶なヤツだ・・・スカーフェイス

マックス「ところで・・・何で今日もシクロクロスで参加したんだよ?」

スカーフェイス「フフフ、このシクロクロスはただのシクロクロスじゃあないんだぜ?見ろ!このタイヤを!

マックス「・・・スリック?いやセミスリックタイヤだな。35Cくらいか?」

スカーフェイス「そうだ!今日はブロックじゃあないんだぜ!?すげーだろ!」

マックス「・・・・・・」

いや、呆れてものが言えない。いつもオンロードをブロックタイヤで走る意味がわからない。

スカーフェイス「お前が下りですっ飛ばしていくから中々追いつけなかったんだぞ!仕方ないからヘアピンカーブはグラベルに突撃してショートカットして追いついてやったわ!あっははははーーーー!!」

マックス「シクロクロスにそんな使い方が!?いや、それって反則なのでは?

スカーフェイス細かいことは気にするなよ(笑)それにな、俺は昔から曲がった事が嫌いなんだ!!

それで曲がらずに直進してヘアピンカーブをクリアしたのか・・・無茶苦茶だ。やることなすこと無茶過ぎる。こいつと関わると碌なことにならんな。

マックス「ん?ゼッケンはついてるけど、計測チップはどこにつけた?」

スカーフェイス「計測チップ?何だソレ?受付でもらった袋の中のゼッケン付けたら、あとはゴミ箱に捨てたぞ

マックス「・・・・いや、その袋の中に計測チップが入ってたはずだぞ。計測チップがないとタイムが出ないし、レース終了後に回収するんだが・・・」

スカーフェイス「なーーーにーーーー?やっちまったな、俺(笑)あっははははーーー」

マックス「何やってんだか・・・」

ダウンヒルが終わってホームストレートに戻ってきた暴走機関車マッドマックス号とスカーフェイス。計測ラインを通過してピットが見えてきた。

スカーフェイス「ちょっとゴミ箱あさってくるわ!じゃあな!マッド」

マックス「マッドマックスと呼べ。マッドマックスと

そのままピットレーンに入っていくスカーフェイス

マックス「あいつは一体なんだったんだろう?」

後ろの選手「あの~~今の人とお知り合いですか?」

マックス「いえ、赤の他人です」

良かった。アイツと離れることが出来て、本当に良かった。