アイツが天国から還ってきた 夢幻のマッドマックス Millennium編

The goal of all life is death. 凄惨な事故による心肺停止状態から仮初めの命を与えられ、アイツが天国から還ってきた。アイツは夢か幻か?だがアイツは残り少ない時間を自ら削って死に急ぐ。これはアイツの命が燃え尽きて灰になるまでの記録である。この命の終焉の刻まであと僅か・・・全ては時の中に・・・

ケープコッド編 #12 双子座の残影

双子座(5月21日~6月21日生まれ)

黄道十二星座の1つでありトレミーの48星座の1つでもある。

日本では冬の代表的な星座で、双子座の対極に位置するのは射手座である。

双子座のアルファ星カストルとベータ星ポルックスこいぬ座の上に2つ並んでいる。

 

 

月明かりを頼りに湖畔を歩く人影が一つ。

湖の水面には綺麗な満月が写し出されている。この時期、日中はまだまだ残暑が厳しいが夜の湖畔はすっかり涼しくなっている。

 

その人影が不意に立ち止まる。

人影「・・・」

湖畔に立て看板が設置されており、そこの貼り紙がしてある。

人影「・・・いい加減出てきたらどうだ?」

その人影は周辺に居るであろう誰かに向けて話しかける。

人影「お互いもう恥ずかしがる歳でもないだろう?」

少しの間・・・静寂が続く。

隠れている人物「歳は関係ないなぁ~俺は元々恥ずかしがり屋なのさ!」

湖畔の茂みの中からゆっくりと誰かが歩み出てくる。

人影「いい歳してかくれんぼか?スカーフェイス

スカーフェイス「ああ、子供の頃はかくれんぼの達人と言われて、ある意味恐れられていたんだぜ?一度隠れたら、日が暮れても現れなかったからな~すげーだろ?」

人影「フフッ、迷惑なかくれんぼだな」

スカーフェイス「あははは~まあな!あまりにも出てこないから警察に捜索願を出される寸前までいったことがあるんだぜ~。まあ、昔話は置いておくとして・・・恥ずかしがり屋の俺は貼り紙残して立ち去ろうと思ってたんだが・・・あれで良かったか?ランケスター」

ランケスター「すまんな、スカーフェイス。いつもいろいろと損な役回りをさせてしまって・・・」

水面の満月を見つめるランケスター。

スカーフェイス「おいおい、気にするなよ!俺とお前の仲じゃないか!それよりも、調子はどうなんだ?」

ランケスター「大丈夫のようだ。気分も・・・悪くない」

スカーフェイス「そうか!それは良かった!でも無理はするなよ?」

今度は夜空の満月を見上げるランケスター。

ランケスター「ああ、あともう少し・・・もう少しだけ・・・Gemini