九州チャレンジサイクルロードレース#6 【全開走行!インターセプター追撃開始!!】
その時は唐突に訪れる。
スタートと同時に集団が一丸となって第一コーナーへと突入していく。そのまま橋を駆け抜けて下り区間へと突入する。
やはり実業団登録選手はライン、ぺダリング、ポジション取りに無駄がない。
マックス「さすが皆さん隙が無い・・・」
加速していく前走者のドラフティングに付くために、ケイデンスを上げて追走するインターセプターであるが、ここで異変が起こる。
マックス「・・・脚が・・・重い」
直ぐにシフトダウンして更に回転数を上げて追いつくことができたのだがレース開始直後に脚が重くなるとは・・・。
マックス「やはり午前中のレースのダメージが残ってるな・・・なんとか回復させないと・・・」
そのまま集団内で脚を休ませながら走り続けるマックス。そして最初の難関、直角コーナーの橋が現れた。ブレーキングからのフル加速でコーナーを立ち上がる。
マックス「ん?脚の調子が戻った?そうか、ウォーミングアップ不足だったということか」
そして180度ターンからの、恐怖のダウンヒルに突入するメイン集団。ここでビビって置いて行かれるわけにはいかないので、ギリギリの速度で下り、橋に激突しないようにライン取りしながら無事に突破することができた。
だが!しかし!
そこから集団は鬼のように加速していく!もうゴールスプリント並みに!!
マックス「チッ!誰かが振るいをかけてるな!やれやれだぜ!!」
ここで遅れるとレースが終わるのでエアロポジションを取り、超高回転でペダルを回して集団に付いていくマックス。
いくつかのテクニカルコーナーを曲がっていき、もう少しで最初の上り坂が現れると言う頃にそれは起こった。
細い直角コーナーのグレーチングにゴムシートが被せてある箇所がある。そこへ突入していくとき、私の前の選手3人が接触して一人が落車したのだ!!
マックス「うげ!?」
その瞬間、マックスの脳裏には走馬灯が駆け巡る!!
①フルブレーキをすると後ろの選手がインターセプターに追突する。
②向かって右側・・・コーナーイン側なのだが、ここには選手が居る。
③俺はアウト側を走っている・・・向かって左側のコース外の野原に飛び込む。
答えは③
この結論に至るまでのタイムは僅か0.05秒!
どっかの宇宙刑事の蒸着並みのスピードである!
マックスはインターセプターのブレーキを軽くかけながらハンドルを左に切り、スローダウンしながら野原に突入することに成功した。幸い落車することもなく、バイクも無事だった。それでもリアタイヤがロックしたため買ったばかりのタイヤの山が一部だけ削りとられているはず・・・まあ、気にするな、俺!!
辺りを見ると、1人は体制を崩して落車、もう1人はコースアウトしたが落車なし、もう1人はなんとかリカバーしてレースに復帰したようだ。
これでメイン集団から大幅に遅れてしまった。
マックス「チィ!!まだだ!まだ終わらんよ!!!」
インターセプターのペダルをフル回転させて追撃態勢に入るマックス!
先頭から5分差になるとその時点で失格になるのだから根性で追走するしかないのである。
しかし・・・既に先頭集団は遥か彼方・・・千切れた人が数人走っているのみだ。
マックス「ええい!!インターセプターモードチェンジ!個人タイムトライアルモード!!」
このインターセプターは一人旅になったときでも楽しく走ることができるように設計してある。
シマノ握りに切り替えて頭をハンドルに接触するくらいまで下げたエアロポジションで平地を単独で高速巡航するインターセプター。まるで映画マッドマックスでロードウォーリアー達を追撃するシーンのように!!
一つ目の上りを突破するがメイン集団は見えない。その後の平坦コースも高速巡航ですっ飛ばしていき、最大の激坂区間へと突入する!
激坂に苦戦している選手達を一気に抜き去り、なおも先頭集団を追撃するのを諦めないマッドマックス!
因みに、インターセプターにはヒルクライム用に楕円ギアと、もう一つの秘密兵器が搭載されているのです。
マックス「モンティナの魔改造もたまには役に立つな!というわけで!逃がすか!先頭集団!!」
無謀すぎる追撃だということは当のマッドマックスが一番良くわかっています。一人で追撃しても追いつくどころか、差が開く一方だということは痛いほどに・・・・わかっているのです。
だが!!!
わかっちゃいるけどやめられない!!!
マックス「山口から熊本まで遠征してDNFになってたまるか!!根性おおぉぉぉーー!!行け!インターセプター!!」
トンネルを抜け!
バンジージャンプ橋を渡り!
ホームストレートをフル加速していくインターセプター!
マックス「このままでは終わらん!!」
その時、第一コーナー付近に数人の人影が見えてきた。