九州チャレンジサイクルロードレース#10 【Goodbye Yellow Brick Road】
マックスはホームストレートを全力で走る。
トムとジェリーの気持ちを無駄にしないために必死にペダルを回すマックス。
ホームストレートを走っている選手は見えない。
マックス「悪い予感がする・・・だが走るしかない」
計測ラインが近づいてきた。
すると、運営スタッフらしき人達がコース上に入ってきた。
マックス「!?」
そしてレッドフラッグを振り出す・・・DNF・・・・。
マックス「・・・・・・・・」
スタッフ「スピードを落としてピットへ入ってください」
マックス「・・・・・」
片手を上げてスローダウンするマックス。
そしてピットへと入っていく。
マックス「・・・終わった。すまんね・・・トム、ジェリー」
力なく肩を落とし、項垂れてしまったマックス。
そこに誰かが声をかけてきた。
トム「マックス!お疲れでした~♪」
マックス「トム!お疲れさま!」
トム「残念だったな。まあ、今回はいろいろあって仕方なかったよ」
マックス「そうだな・・・落車もなく、怪我もしなかったし、バイクも無傷だったことで良しとするか・・・」
そこへもう一人の選手が声をかけてきた。
ジェリー「トム!マックス!おつかれでした!」
トム「ジェリー!おつかれさま!」
マックス「おお!ジェリーじゃないか!おつかれさま!」
ジェリー「いや~面目ない!脚が終わってしまってさ!まいったよ」
その後、マックス、トム、ジェリーが今回のレースを振り返って話し込む。
トム「あの激坂は半端じゃないよな。キツかったよ」
ジェリー「だよな、それとダウンヒルの右コーナーも冷や汗ものだった!」
マックス「まったくだ。緊張の連続だったよな」
暫くするとトム、ジェリーのチームメートがやってきた。
マックス「トム、ジェリー、一緒に走ることができて楽しかったよ。ありがとう!またな!」
トム「こちらこそ!ありがとう!また会おう、マックス」
ジェリー「ああ、またな!マックス!」
トムとジェリーと固い握手を交わすマックス。
そしてマックスは再び独り暗闇の荒野へと姿を消すのであった。その後マックスの姿を見た者は誰もいない。