連戦シリーズ3週目:汗汗フェスタ2018 in 千畳敷#2 【炸裂!スカーフェイス直伝の必殺技】
魔改造専門店モンティナにてフルリジッドに改造されたMTBでスタートを待つマックス。
一見すると余裕の表情のようにすら見える。しかしその心の内は正反対のものであったのだ。
時は遡る事、2時間前
どんよりと曇る空。どことなく雨が降りそうで涼しくて良いかな・・・と思いたいのだが、きっとレース開始後には灼熱地獄と化すのだろう。まあ、いつものパターンだ。
早めに会場についたため、受付を済ませてからバイクを準備して試走を開始することにした。
スタート地点の芝生から軽快に走り出す魔改造フルリジッドMTB。芝生は凸凹もあるけれど、これならサスペンション無でも問題ない。
マックス「魔改造フルリジッド化したのは正解だったな」
そして第一コーナーを左へ曲がると落ち葉や枝が散乱している部分が現れ、その先は下り坂となっている。そこは固い粘土質の地面、その地面から突き出る岩、あちこちに転がる大きな石が有る。
マックス「魔改造フルリジッド化したのは失敗だったな」
急斜面を猛スピードで下っていくことになり、当然地面からの恐ろしいまでの突き上げが襲い掛かる。普通のMTBにはこんな時のためにフロントフォークにサスペンションが装備されており、地面からの衝撃を吸収し常にタイヤが路面に追従してくれる。中にはリア側にもサスペンションを装備したフルサスMTBもある。
だがしかし!
マックスのMTBはフルリジッドMTBであり、サスペンションなどという近代兵器は装備されていない・・・というか取り外してある。わかり易く言うと、街乗り用のクロスバイクのようなサス無しバイクで走行しているようなものだ。
どうやってこんなオフロードの下りを走ればいいのだろうか?
時は戻ってローリングスタート開始
スタート直後はオートバイの先導によって会場をパレード走行する。会場を一周した段階でレース開始。ここから3時間の地獄のレースが始まるのだ。
試走の時と同じく第一コーナーを左に曲がるといきなりダブルトラックのダウンヒルがやってくる。サスペンションなしのマックスはどうやって走るのだろうか?
マックス「サス無しバイクでオフロードを走る方法はただ一つ!」
空の彼方にスカーフェイスのニヤケタ顔が浮かんでくる。
マックス「スカーフェイス直伝!必殺!腕サスペンション!」
スカーフェイスの根性論である「サスペンションが無ければ腕をサスペンション代わりに使うまでだ!」で走るマックス。更に両足も一緒に屈伸させて路面からの衝撃を緩和させ、タイヤのグリップを確保する。
猛スピードで下る他の選手と同じスピードで下りのダブルトラックをフルリジッドMTBで駆け下りるマッドマックス。
マックス「MTBの師匠であるスカーフェイスに、昔教えてもらったテクニックがこんな時に役立つとは。あいつもたまには役に立つもんだな。安らかに眠ってくれよスカーフェイス(注意:生きてます。)
そこから、上りと下りとコーナーが混ざった複合コースが続きます。ここも大きな岩が地面から突き出ており、油断して突っ込むとパンクや落車してしまいます。
その後、更に過酷な下り・・・というか落ちていくような下りが出てきます。ここも腕サスペンションをフル稼働して攻略したのですが・・・あまりの衝撃で一本しかないボトルが崖下へ落ちて行ってしまいました。
マックス「しまった!3時間の耐久レースでボトル無って・・・死ぬんじゃねーか?」
だが、悔やんでいても仕方ないので気を取り直して走ろうとしたのだが・・・
ガチッ!ガチッ!ガチッ!
クランク辺りから嫌な音が聞こえてきます。
マックス「ん!?ペダルが回らないぞ!?」
見ると・・・フロントのチェーンリングからチェーンが外れています。しかもご丁寧に2カ所にループができているというおまけつきで。
すぐさまトラックの外にバイクを持っていき、チェーンのループを解放して、チェーンを掛けなおしました。しかし、次々に後ろから選手が走ってくるため再スタートする機会が中々やってきません!
マックス「最初の周回でこれだ・・・これから先が思いやられるぜ・・・ヤレヤレ」
その後も、恐ろしい下りをクリアしてくと、一際エグイ下りの途中に180°ターンが待ち構えています。思いっきりスローダウンして曲がれば大丈夫なのですが、タイムを短縮するためには極力スピードを維持したいところです。
マックス「スカーフェイス直伝パート2!!必殺!テールスライド!」
コーナーの途中でリアブレーキをかけてリアタイヤを積極的に滑らせ、バイクを強制的に方向転換させてコーナーをクリアします。
マックス「見たかスカーフェイス!お前が教えてくれた必殺技だぞ!天国で俺の走りを生暖かく見守っていてくれ!(注意:生きてます。)」
最も下まで降りたら、今度はひたすら山登りが待ち構えています。ここはひたすら根性で上っていくしかありません。途中からアスファルトの区間になるので路面の状況は良いのですが、ここも斜度がキツイです。
千畳敷頂上付近の駐車場ではシャワーと給水ポイントがあります。ここで頭から水をかけて体温を下げます。その後、芝生エリアのテクニカルコースを突破して、スタート地点へと戻っていきます。