アイツが天国から還ってきた 夢幻のマッドマックス Millennium編

The goal of all life is death. 凄惨な事故による心肺停止状態から仮初めの命を与えられ、アイツが天国から還ってきた。アイツは夢か幻か?だがアイツは残り少ない時間を自ら削って死に急ぐ。これはアイツの命が燃え尽きて灰になるまでの記録である。この命の終焉の刻まであと僅か・・・全ては時の中に・・・

連戦シリーズ4週目:HSR九州サイクルロードレース 2018#2  【ストリートファイターマッドマックス VS クマモンの毛皮を被ったグリズリー】

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レーススタート!!

 ホームストレートは強い向かい風のため、早くも牽制・ポジション争いが激化して、波乱の予感が頭を過る。
 第1コーナーが迫ってくる。私は最もイン側のラインで走行していたのでそのままイン側でコーナーに突入したのだ・・・・がしかし!
 最もイン側と思っていた走行ラインの更にイン側をついてくるクマモンが出現したのだ!!

 サーキットということでシケインがあるため、そこから強引に私のインをついてきたピンクジャージのクマモン只者ではないな!何周か様子を見てから・・・などと考えず、いきなり第1コーナーから仕掛けてくるとは流石はクマモンズ!魅せてくれるじゃないか!!

 その他のクマモン達もアウトからガンガン襲いかかって来ます!皆さん落車が怖くないみたいだな。
 第1コーナーから白熱したバトルが開始されて、アドレナリンが出まくりのマッドマックス!いやあ~超燃えるわ!
 若干上りになっている第1コーナーを過ぎると今度は追い風のストレート区間となるのだ・・・・がしかし!


 第1コーナー出口、今度はクマモン達が一斉に道幅一杯に広がっていきます!
マックス「む!?何が起きてる?」
 コーナー出口で加速しながらラインを変えて、後ろの選手に脚を使わせる作戦なんだろうが・・・こんなに露骨に、しかも一斉にラインを変えるのは見たことがない。
 ここはオーソドックスにドラフティングを使って、先頭交代しながら数周回は様子を見るだろうと予想していたんだけど・・・凶暴なクマモンズは私の予想を遥かに上回っていたのだ。
 そこからは団子状態になってどんどんスピードアップしていく。少しでも隙あらば、車列の間に強引にフロントホイールをねじ込んで仕掛けてくるし、大外からガンガン被せてくる恐怖のクマモンズ!
 団子状態でも凄まじいポジション争いが絶え間なく起こる。しかも今まで経験したことがないほどの密度で密集しているのだ。


マックス(ちょっ!お前らいくら何でもくっつき過ぎだろ(笑)!ちったぁ~離れろ!!)

 

と、ボヤキたくなるのを我慢して、クマモンに取り囲まれた状態でこのサーキットで1番キツイコーナーが迫ってくる!・・・ってやばくね!?

 この様子を一言で言い表すならば「カオス」。まさに混沌とした状態で何が起きるか予測不可能。

 密集状態でコーナーに飛び込んでいく。しかし、個人ごとに曲がるスピードが異なるため、減速や走行ラインの修正が次々と起こる!混沌とした状態でコーナーでのバトルが始まった!
 前走者との追突を避けるために1人がラインを修正すると、連鎖的に他の選手も次々と走行ラインを修正していくため怖いのなんのって(笑)もうスリル満点ですね!
 

 そんな極限のカオス状態のまま何とか生き残ってコーナーを脱出すると、今度はクマモンズが一斉に道幅一杯まで広がっていきます!またもや後ろの選手に脚を使わせる作戦か!?
マックス「スゲー・・すご過ぎる・・・何このガチバトル!何この戦闘民族クマモンズ!こんな恐ろしい連中と戦ったら命がいくつあっても足りないぞ!?」
マックスの頭に集団落車の恐怖が蘇る。

 

マックス「接触して落車しちまって入院なんて嫌だ・・・ここは安全な後方に下がって様子を・・・なんて俺がビビッて逃げると思うなよ!クマモンズ!!

 

切れた・・・マッドマックスの何かがその時切れてしまった。

マックス「俺は天国還りのマッドマックス!MADの称号は伊達じゃあない!!今まで数え切れないほどバイクのストリートファイトデスマッチバトルロイヤルを繰り広げてきたんだぜ!」


マックスは今までいったいどんな人生を送ってきたのか?

バイクのストリートファイトって何だろう?

デスマッチって何のこっちゃ?

という疑問は放置しておきましょう。

 

 向かい風区間を過ぎると、今度は下り区間となり、そこからは平坦区間へと続いていく。
 このコースで最高速度に達する区間だが、その終点にはこれまたキツイ最終コーナーが待ち構えている。
 クマモンズが次々とシフトアップして加速していく中、マックス1人がルイガノFのケイデンスを上げまくって加速する。これはもうチキンレースか!?先にブレーキをかけた方が負けなのか!?
 さっきと同じく最終コーナーにまたしても集団カオス状態で飛び込む!

 クマモンズの皆さんは本当に命知らずだなぁ~まあ他人のことは言えないがな!(笑)
 一瞬でも気を緩めると接触するほどの状態でコーナーを曲がっていき、コーナー出口ではまたしても加速競争が始まる!
 向かい風のホームストレートでポジション争いをしながら走るクマモンズとマッドマックス。

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1周目終了

 そう、まだ1周目なのに恐ろしいまでの凄まじいバトルが繰り広げられるクマモンズの地元サーキット!!

 マックス(ゴールまで落車せずに無事に走り終えることができるのかな・・・俺は)

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 2周目の第1コーナーでバトルが行われた後、再び最もキツイコーナーへ集団で飛び込んでいった。

 

その時それは起こった。

 

 前後左右に選手が犇めき合った状態でコーナーを曲がっていた。
 私の前方約7メートルの位置、先頭集団の4番目くらいを走行していた選手がコーナーに侵入した時点でオーバースピード気味だったことに気付いていた。
 その選手はそのままのスピードではラインがアウトに膨らんでしまうため減速したいところだろうが、前後左右に選手がいるので難しい状況だ。
 そこでその選手はバイクをよりバンク(バイクを地面に対して斜めに倒し込む)させてコーナーをクリアしようとした。

 

だがしかし・・・

 

 バンクさせ過ぎたため、フロントタイヤのグリップ能力を超えてしまいフロントタイヤがスリップして落車してしまった。


ガシャン!!ズザザァァァーーー!!

 

嫌な音とともに壊れた部品が周囲に飛び散っていく!
 落車した選手の周囲の選手が一斉に回避しようとする。それと同時に「落車!!」の叫び声がコースのあちこちから聞こえてくる!

 私も大声で「落車!!」と絶叫しながら回避運動に入ったのだが・・・。