アイツが天国から還ってきた 夢幻のマッドマックス Millennium編

The goal of all life is death. 凄惨な事故による心肺停止状態から仮初めの命を与えられ、アイツが天国から還ってきた。アイツは夢か幻か?だがアイツは残り少ない時間を自ら削って死に急ぐ。これはアイツの命が燃え尽きて灰になるまでの記録である。この命の終焉の刻まであと僅か・・・全ては時の中に・・・

山陽オートやまぐちサイクルフェスタ1時間耐久レース#2 【ルイガノF 疑似TTバイクモード】

時は遡ることスタート直前

 

クライシス「車連の鬼達がソロ参加でよかった」

スパロウ「本当、チームで出られたらやばかった!」

ブルベン「2~3人のチームで参加している人にだけ注意しよう。ソロの鬼組は鬼組だけでドンパチやってもらおう!」

マックス「そうだといいんだが、俺はどうも悪い予感がしてならない。今回は最初からチーム戦で募集していて、後から1人のみの【チーム】での出場も認めるというアナウンスがあったのが気になるんだよな。ソロ参加も1人の【チーム】として扱うのであればソロの鬼達にも勝たない限り表彰台の真ん中には登れないってことになるぞ・・・」

ウォルター「その可能性はあるね。先日の某エンデューロソロ、チームの区別なく全て同じ条件でタイム、順位が出ていたし・・・」

ブルベン「・・・・・気になるな・・・」

マックス「カテゴリーがソロとチームで同じが、別かでレースの内容が全然変わってしまうからな。よし、俺がスタッフに聞いてこよう。」

 

スタッフのところに行って質問をするマックスを見守るODKのメンバー達。

 

ブルベン「どうだった?」

マックス「悪い予感的中だ・・・そもそも、このレースは皆で楽しく走ることを目的にしており、カテゴリー別に順位を分けるといった競技志向の高い複雑なことはしない・・・という説明だった」

ウォルター「やっぱりな・・・」

ブルベン「・・・わかった。もう全力で走るしか手はないな」

マックス「ああ、その通り。でも、想定の範囲内だ。手は考えてある。」

 

 

 マックスの脳裏にスカーフェイス、モンティナとの作戦会議の内容が蘇る。予想はしていたが、やはり世の中厳しい。

 そして今、マックスの目の前には魔改造専門店モンティナで究極の魔改造を施されたルイガノファイナル(エアロタイプ)が静かに出撃の刻を待っている。どのくらい究極かというと・・・内容が過激すぎるためR指定となり、詳しく教えることはできませんが、映画アキラの金田が鉄夫に言ったピーキー過ぎておまえにゃ無理だよ」と言ってるのと同じくらい恐ろしいほどの魔改造が施されています。念のために言っておきますが、レギュレーション違反はしていませんのでご安心ください。

マックス「頼むぜ・・・相棒

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 第一走者のブルベンから第二走者のマックスへセンサーを移し替える作業を素早く落ち着いて行うODKピットクルーたち。

マックスの左足首にセンサーが固定される。

マックス「行くぜ!ルイガノF!GO!」

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ルイガノFエアロタイプの下ハンを持ち、ダンシングで加速してピットレーンからサーキットに飛び出すマッドマックス!

そしてトップスピードに到達したらシッティングに切り替えて普通に巡航・・・するのでは魔改造の意味が無い!

マックス「ルイガノファイナル!! 疑似TTバイクモード!

※この写真はマックスがTTバイクに乗っているわけではありません。もちろんロードバイクのドロップハンドルにDHバーを付けているわけでもありません。↓↓↓

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 エアロダイナミクスの邪魔になる両腕をコンパクトに折りたたんで収納することで、疑似的なTTバイクを再現して高速巡航に移行するマッドマックスとルイガノF。

マックス「よし!このまま先頭集団を追撃するぞ!」

Bチームのアシストを探すマックス。そして、かなり離れた場所にODKジャージを発見。

マックス「アシストか?いや、あれはソロ参加のアーノルドだ」

そこにはアーノルドが単独で走っている。

どうやらかなり疲れてキツイ様子だ。

マックス「よし!ODKメンバーを回収しながら先頭集団を追いかけるか」f:id:MAD-MAX:20180925213029j:plain

ルイガノファイナルのスピードを更に上げる。そして、アーノルドを追い抜くと、その前にスルリと入るマックス

マックス「 アーノルド!後ろに付け!

と、声をかけてから後ろに付くようにハンドシグナルを出すと、その意図を理解してドラフティングに入るアーノルド。

これでODK2両編成となった暴走機関車マッドマックス号

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 先頭集団とのタイム差は約30秒。アシストチームとの打ち合わせが不十分だったため、現在はアシストが存在しない。アーノルドも単独で走行して疲弊しているためマックスを牽くことはできない。

マックス「厳しいけど、予定通り単独で先頭集団に追いつくぜ!そのためのルイガノFだ!

ソロとチームのカテゴリー分けが無いとわかった以上、先頭集団に追いつく以外にブルベンを表彰台へ担ぎあげることは出来ない。無謀だと分かっていても、脚を使い果たしてでも、先頭集団に追いつく以外に打つ手なし!

マックス「やれやれ、死ぬ気で走るのはいつものことか」

 30秒差を1周5秒縮めていき6周回で追いつく計画である。

全速力で走っている先頭集団に対して5秒のリードを6周回続けるためには、ゴールスプリントを最大パワー100%とした時の90~95%を常に出し続けて走らなければならない計算だ。

マックス「キツイがやるしかない」

 

追撃1周回目

 先頭集団との差が目に見えて縮まっている。おそらく5秒以上のタイム差を縮めているはずだ。まだ脚には余力がある。疑似TTバイクモードのまま走り続けるマックス。

 

追撃2周回目

まだ予定通り5秒程度タイム差を縮めることに成功

 

追撃3周回目

脚に乳酸が溜まってキツイがなんとか5秒程度タイムを縮めることに成功

マックス「もう少し!・・・もう少し頑張れば手が届く!俺の脚よ!もう少しだけ耐えてくれ!

だがしかし・・・この時、既にマックスの脚は完全に壊れてしまっていた。

 疑似TTバイクモードとはいえ、単独走行で最大出力の90~95%を出し続けていたらどうなるのか?

 それは無謀にも程がある。しかし勝つためには他に手段がない以上、無謀とわかっていてもやるしかない。

マックス「まだ・・・まだ負けねぇ・・・」

 

追撃4周回目

先頭集団が離れていくのがわかる。タイム差が開いてしまっている。

マックス「くっ! 万事休す・・・ここまでか。皆、すまない・・・俺のせいで勝つ可能性が消える・・・」

もう脚が痺れてペダルを踏むのがキツイ。脚に力が入らない。

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そんな時後ろに気配を感じる。

マックス「・・・ん?

後ろを振り返るマックス。

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マックス「あれ?アーノルドだけじゃなくて、みんな俺の後ろに居たのね(笑)?つーか、ODK4人揃っているじゃないか!(爆笑)

まさか自分がODK列車を牽いていようとはにも思っていませんでした(笑)

マックス、アーノルド、アレックス、クライシスが揃って走っています。

そしてアーノルドの脚が回復したようでマックスの前に出てアシストしてくれます。それに続いてアレックスも前に出ます。

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マックス「ありがとうよ、アーノルド、アレックス。でも・・・単独で先頭集団に追いつくために脚を使い過ぎてしまい、俺はもうまともにペダルを踏めないんだ・・・気持ちは嬉しいが俺を置いて先に行ってくれ・・・頑張れよ」

 しかし、アーノルドもアレックスもマックスの呼吸が整うのを待っており、アシストする気満々の様子である。

マックス「・・・お前ら?・・・なかなか俺に楽をさせる気はないようだな!(笑)よーし、なら見せてやんよ!マッドマックスの得意技をな!」

 ペースアップに対応するため、マックスはルイガノFを2段シフトダウンする。

マックス「アーノルド!アレックス!準備できたぞ!ペースアップだ!

アーノルド&アレックス「オッケー!マックス!」

スピードを上げるアーノルドとアレックス。

 アシストしてくれる2人に、シフトダウンしたルイガノFの回転数を更に上げまくって追走していくマッドマックス。

 脚に力が入らないなら、ケイデンスを上げてスピードを出すしかない。

 130回転程度で巡航していたが、ここで一気に160~170回転まで上げてペースアップした2人についていく。

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 アシストで疲労したアレックスが頃合いを見てピットに入り、代わりに回復したスパロウが出撃してODK列車に合流する。

スパロウ「待たせたな!マックス!今度は俺に任せろ!」

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予想通り、レース終盤になるとメイン集団と呼べるものは存在しなくなっていた。混沌とした状況の中、小さな集団が彼方此方にできて、レースの全体像を把握することは既に不可能となっている。

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元気良すぎのスパロウの鬼引きで超ハイペースとなる。そして、いつのまにか後ろにODK以外の選手がくっついているし(笑)

既に脚を消耗してペダルを踏む力が無くなり、高ケイデンス走法しか残されていないマックスには厳しいペースだ。

マックス「おいスパロウ!速すぎ!ちょっとペースダウンしてくれ~回し過ぎで脚がもげる(笑)」

 因みに、高ケイデンス走法は脚力を使う代わりに心肺を使うため、心拍数が異常に高くなってしまい、呼吸がキツイのだ。

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そこから更に混戦状態となり、もはやどこが先頭集団なのかが分からないまま、兎に角ペースを落とさないようにハイケイデンス走法で走り続けるマッドマックス。

勝負の行方は!?