ツール・ド・ゆう2018 マキャベリストMADMAX【怪しすぎ!?マックスの金銀妖瞳が炸裂!!】
今年で23回目の開催となり、市町村合併前の旧由宇町時代から続く歴史ある大会である。また、山口県近隣では最も遅い時期に開催されることから、他のヒルクライム等と被ることがないため、この大会に照準を合わせて完璧に調整してきた超山岳級のドMヒルクライマー達が集う大会でもある。
開催場所が山口県東部であるため、主に広島県から恐怖のヒルクライマー達が大挙して押し寄せてくることでも有名である。
こんな恐ろしい大会は、焚火にあたってポテチでも食べながら応援するに限る・・・のだが、気が付けば何故かエントリーボタンをポチっと押してしまったヤツが居た・・・そうマッドマックスだ。
実のところ、ODKからは1軍ヒルクライマーのワイルダーがエントリーしていたのだが、残念なことに療養中でDNS。因みに、マッドマックスはODK2軍のグルメポタリンガーである。
美味しい物を求めて3000里・・・は大げさだが、ゆる~くポタポタ自転車で食べ歩くのが好きなマックスが何故ドMヒルクライマーの真似をしているのか?
それは勿論、飲んだら乗るな!乗るなら飲むな!・・・じゃあないな。全然関係ないか・・・まあ、大人の事情というヤツだ。
ある筋から得た情報によると、年内にODKジャージをもう一度表彰台に載せないと、2軍から3軍へ降格する・・・という噂があるらしいのだ。
今年に入ってから幸運・奇跡・偶然のスペシャルオーケストラによってオートポリス3時間耐久レース(2位)、下関エキシビションクリテリウム(3位)、山口シクロクロス(2位)でODKジャージを表彰台に載せることに成功したのだが・・・いつもながらODKのチームオーダーはどんだけ厳しいんだよ・・・。
時は流れ いきなりスタート直後
マックス「くぅ、いきなり激坂が待ち構えているじゃないか!!もう勘弁してくれよなったく!!」
スタートダッシュで先頭に躍り出るも、激坂でいきなり心が折れ曲がるマッドマックス。
その隙に1人にパスされるが、その後ろにはりついて上り続けるマックス。
だがしかし・・・
マックス「なんだ?この人のハイケイデンスは?ここが上り坂だということを忘れてないか?」
マッドマックスのケイデンスを遥かに上回るハイケイデンスでペースアップしていく。
マックス(どうする!?このままオーバーペースになってでもついていくべきか?それとも今のペースを維持するべきか・・・・あ!しまった!)
マックスがあれこれ考えている隙に3人に追い抜かれてしまった。
マックス「チッ!逃がさなないぞ!!」
得意のマッドダンシング(注:マックスの得意技。詳細は不明だがとにかくマッドで奇妙なダンシングという噂)でペースアップして追従する。
しばらく後ろについていったマックスだが、突然ペダルをゆるめてしまい差が開いていく。
マックス(この段階ではオーバーペースになってまでドラフティングにつく意味はないな。ウォーミングアップもしていないことだし・・・よし、ここはペースダウンして後半に余力を残す作戦でいくか。この借りは後で必ず返す)
そこから少しずつ前走者との差が開いていくが、視界に入るポジションをキープして淡々と登って行く。この段階でマックスは5位。
そして1回目の下り坂がやってくる。コースの両側には万が一の緩衝材として大きな段ボール箱が並べてある。
この下りはS字になっているため、この下りでペースアップするのはリスクが高い・・・ここは無理をせずに通り抜けることにする。
下りがあれば上りがある。ヒルクライムのお約束だ。案の定、恐ろしい激坂が目の前に現れた。
そこには・・・先ほど私をパスしていった1人の選手の姿が見える。
どうやらオーバーペースで先頭集団について行って脚が削られた状態で激坂に突入したため一気にスローダウンしたようだ。
その時!
マッドマックスの金銀妖瞳(ヘテロクロミア)が怪しく光る!
因みに、マックスの右眼は黒、左眼はブラックなので覚えておくように!
弱った獲物に猛然と襲い掛かるハイエナのようにマッドダンシングで一気にパスするマッドマックス。これで4位に浮上。
うーん、まさにマッド!相手が弱るのを待ってから襲い掛かるマッドマックス!やっぱりこいつはセコイ!!
その後、3位の選手が視界に入ってきます。やはり前半のオーバーペースのためにペースダウンしてきたのだろう。
しかし微妙な距離を保ったままで差が縮まりません。
マックス「このままゴール付近まで先行され続けたらスプリントで負けるな。それならここは・・・」
その時またしても!!
マッドマックスの金銀妖瞳(ヘテロクロミア)が怪しく光る!!
マックス「ゼェ~ゼェ~ゼェ~ハァ~ハァ~ハァ~」
わざとらしく呼吸の息遣いを大きくして、なおかつシフトチェンジのガチガチ音を響かせて3位の選手に自分が迫っていることをアピールしまくるマッドマックス。
案の定、3位の選手は後からマッドマックスが迫っているのに気づいて振り返ります。
そして当然のように引き離そうとペースアップします。
マッドマックス(かかった♪)
付かず、離れず、相対距離を一定に保って後ろからプレッシャーをかけ続けるマッドマックス。
3位の選手はコーナーの度に後ろを振り返ってマックスとの距離を気にしています。
マックス(振り向くな!後ろにゴールは無いぞ!ゴールは前だ!前だけ見ろ!と、言ってやりたいのだが・・・)
マックスのプレッシャーによって、ペースが乱され、更に後ろが気になって気になって度々振り返ってしまったため、だんだんペースが乱れてきて徐々に差が縮まってきました。
そこして平坦区間に突入
この時点ではまだ結構な差が開いていたのですが、3位の選手は脚が削られたのか平坦区間に入ってから別カテゴリーの選手のドラフティングに入って脚を休めています。
その時!
またしても!
またしても!!
マッドマックスの金銀妖瞳(ヘテロクロミア)が怪しく光る!!
いや、もう眼からレーザー光線でも出るんじゃなかというくらい光ってます!
必殺技のマッドダンシングで一気に距離を縮めて3位の選手のドラフティングに入るマッドマックス。
そのまま少しの間だけ気配を消して巡航した後、再びマッドダンシングで前に踊り出ると、そのまま一気に差を広げにかかるマックス!
脚が削られ尚且つ不意を突かれた3位の選手はマックスのダンシングに反応できない!これで3位に浮上。
残り2kmの看板がマックスの目に入る。
そのまま全速力で平坦区間を走り抜けて最後の九十九折へと突入する。
マックス(この状況での俺の選択肢は2つ。①このままのペースを維持して3位を狙う。②2位の選手を追いかける)
左腕をチラリとみる。そこにはOne step forwardの文字が・・・一歩前へ。
マックス「後ろにゴールは無い!振り向くな!前だ!2位の選手を追いかけろ!」
後を振り返らず、ただひたすら前へ突き進むマッドマックス!
ペダルをまるで親の仇のようにガンガン踏みつけて更にペースアップして九十九折を爆走していく暴走機関車マッドマックス号!
そしてゴール!
マックス「任務完了!」
2位の選手に追いつくことはできなかったけれど、3位入賞でODKジャージを表彰台へ乗せることに成功。
マックス「さてと、一仕事終わったことだし・・・帰って寝るか」
マッドマックスは再び独り暗闇の荒野へと姿を消すのであった。
その後、マックスの姿を見たものは誰もいない。