きらら浜サイクルミーティング#2 【恐怖のチャンピオンクラス】
土曜日の午前中に行われるクリテリウム【チャンピオンクラス(上級者) 18周回】がいよいよ始まる。
サイクリストの有る有るで初心者詐欺というものがある。
本当は物凄く速くて自転車歴も長いのに「初心者なんです」とか「私本当に遅いですよ」といって周囲を油断させておいて実は・・・というお決まりのパターンですね。
まあ、どこにでもいるちょっと可哀想な輩です。
で も ね。
そんな詐欺師が蔓延る中で、チャンピオンクラス(上級者)に参加する連中とはどんな輩だと思いますか?
考えただけでもゾクゾクするようなタフな連中ばかりだというのは想像に難くないでしょう・・・いやあ、マジでヤバいです。
何しろ、詐欺なんて姑息な手段は使わずに「俺はチャンピオンクラスに出場する自他ともに認める上級者だ。叩きのめしてやるから誰でもかかってきな💛」ってな輩ばかりなのですから・・・初心者詐欺をするような連中とはわけが違う真のガチな連中しか存在しません。
もうね、怖すぎます。
こんなクラスに出場なんてしたら速攻で引き千切られてタイムアウトになって失格になっちまいますからね。
え?そんな上級者クラスに何故マックスが出場するのか?
実は、きらら浜サイクルミーティングはうちのチームがホストを務めており、さらに私が年間の上納金を一括で収めていたりして、招待選手という形で名簿に名前が入っていたのです。
マックス「まあ・・・ブログのネタにチャンピオンクラスに参加するのもいいか・・・速攻で千切られてラップアウトしちまいました・・・テヘッ💛 ってなことになるのが落ちだろうが・・・」
ヴァジュラ「何を情けないこと言っていやがるんだ?SF社のハイポテンシャルエンジンもようやく熟成されてきたところだ。情けない走りをしたらニールプライドを没収するぞ」
久しぶりに登場したヴァジュラ。半年前までは出向で山口県在住だったのだが、現在は広島県の本社勤務に戻っている。ということで、この日のために広島からマックスのメカニック兼レースディレクターとして駆けつけてくれた面倒見の良い野郎である。
そんなこんなでチャンピオンクラススタート!!!
クリートキャッチもスムーズに行い臨戦態勢をとるマックスとニールプライドのゴールデンコンビ
第一コーナーを曲がってから立ち上がり、隊列が整ったところでリアルスタート!
全選手が一気に加速していく。
ヴァジュラ「行け!!マックス!!」
遠くからヴァジュラの声が聞こえる。
マックス「OK!!行けるところまで行ってやんよ!」
ヴァジュラに調整してもらったニールプライドは頗る調子が良い。
ブレーキもシフトチェンジも実に滑らかに動く。
マックス「調子インテグラ💛」
思わずピットにいるヴァジュラに大昔のダジャレをくらわす。
ヴァジュラ「その駄洒落、若い奴らには絶対にわからんぞ・・・」
モンティナ「ヴァジュラ・・・そっとしといてやれ」
ヴァジュラ「ああ」
モンティナ「ところでマックスの走りはどう思う?」
ヴァジュラ「ウォーミングアップが不十分なのか知らんが、ポジションが後ろ過ぎる」
モンティナ「・・・様子を見ているのか、それとももう限界なのか・・・」
ホームストレートを通過して2周回目に入る。
第一コーナーから立ち上がるとマックスがポジションアップを狙う。
ヴァジュラ「ん?マックスが仕掛けるぞ」
集団の中央よりも前に移動するマックス。
そして、チームメイトのE1選手と合流。
2人で編隊を組んでさらなるポジションアップを狙う。
このチャンピオンクラスにはうちのチームからは、E1選手が2名と、E2選手のマックスの合計3名が参加しているのだ。
E1選手のチームメート2名は流石に無駄のない走りで集団内を縦横無尽に移動している。
マックス「流石だなぁ・・・よし!ここは俺も積極的に動くか!」
というわけでマックスも自分なりに考えてレースに対応していく。
3周回、4周回とラップを重ねるうちにマックスのエンジンの調子も良くなっていく。
マックス「エンジンが温まってきた。これならまだまだいける!」
スタート前は18周走り切ることなどできないと思っていた。しかし、少しだけ最後まで千切れすに走り切る光が見えてきた。
コーナリングにも慣れてきたので思い切ってバイクをバンクさせてクリアしていく。
モンティナ「思ったよりも頑張ってるな、今日のマックス」
ヴァジュラ「チャンピオンクラスでここまで走れるとは思わなかったぞ」
モンティナ「このままいけば、もしかしてゴールスプリントに絡めるかも・・・」
刻一刻と変化していく集団の状況に臨機応変に対応していく。
そして気が付けば9周回目・・・折り返しを過ぎていた。
マックス「大丈夫だ。まだ・・・行ける」
じわじわと脚にダメージが蓄積されているが心肺にはまだ余裕がある。
高回転走行に切り替えて脚を庇いつつ走り続けるマックスとニールプライド。
いつの間にかラスト2周回となっていた。
ここでいったん集団のペースが落ち着く。
集団内でチームメートに合図や牽制が入り微妙な空気が流れる。
マックス「いよいよ次がファイナルラップだ・・・」
最終コーナーを曲がってホームストレートを立ち上がっていく選手たち。
その時・・・