アイツが天国から還ってきた 夢幻のマッドマックス Millennium編

The goal of all life is death. 凄惨な事故による心肺停止状態から仮初めの命を与えられ、アイツが天国から還ってきた。アイツは夢か幻か?だがアイツは残り少ない時間を自ら削って死に急ぐ。これはアイツの命が燃え尽きて灰になるまでの記録である。この命の終焉の刻まであと僅か・・・全ては時の中に・・・

【スカーフェイスといっしょ】#04 ネコとヤギと…

Someday I want to run away

Where the darkness fill the air
There, I can hide my broken heart
There, no one can see me cry
The tears of my lonely soul
I'll find peace of mind...

 

スカーフェイス「よし!釣りに行くか!ダム湖ブラックバスを釣ろうぜ!」

マックス「それは良いんだが・・・」

スカーフェイス「何か問題でもあるのか?」

マックス「俺は釣り道具を持っていない」

スカーフェイス「・・・・・・何故持っていない?」

呆れてモノも言えないという表情で問いかけるスカーフェイス

マックス「何故って言われてもな・・・俺には釣りの趣味は無いからさ」

スカーフェイス「ったく!使えねぇ野郎だな!」

無茶苦茶な批判を当然のように主張する。

ある意味清々しささえ感じてしまう。

とりあえず阿武川温泉に到着。

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まずは阿武川沿いを散策することにした。

マックス「あれ?カヌーが浮かんでるぞ」

スカーフェイス「カヌー教室でもやってんのか?」

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川ではインストラクターと受講者と思われる人たちが黙々とカヌーを操っている。

マックス「へぇ~カヌーも面白そうだ」

スカーフェイス「ああ。しかし、あれでよく転覆しないもんだな。マックスなら一瞬でひっくり返って死亡しそうだぞ」

マックス「・・・・」

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マックス「綺麗な水の流れを見ていると・・・荒んだ心が癒される気がする」

スカーフェイス「お前に人の心なんてものが未だ残っているのか?」

マックス「いや、とっくの昔に壊れてるよ。どーせ俺は荒野のマッドマックスさ・・・おや?」

その時、駐車場の方から動物の鳴き声が聞こえてきた。

マックス「これは・・・の鳴き声だ」

鳴き声の方向へ向かって駆け出すマックス。

果たしてそこには・・・

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マックス「お?野良猫だ!」

スカーフェイス「こんなところに猫なんて居たんだな」

マックス「よし!小動物にだけは好かれる俺の実力を見せてやろう!」

そういって手招きしながら猫の方へ向かって歩み寄る。

マックス「おーーーい!猫ちゃん! おいで♪ おいで~♪ 怖くないよ~💛

 

猫「・・・ニャンだ?コイツは?」

 

マックスに気付いて立ち止まる猫。

警戒してマックスの方を見ている。 

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マックス「おいで~💛おいで~💛俺は猫派のマッドマックスだよ~🎵」

 

猫「・・・コイツ、エサをくれない人間だな?無視、無視」

 

立ち止まっていたネコは、マックスを完全無視して再び歩き始めた。

マックス「あ・・・あれれ?逃げていくぞ。ちょっとまってくれ猫!」

猫の方に近づいていくマックス。

すると、猫はダッシュで花壇の中に逃げ込んでしまった。

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完全に警戒してマックスを睨みつける猫

 

マックス「・・・ま、まあ、この猫はちょうどストレスでイライラしていたんだろうな・・・きっと・・・」

スカーフェイスウヒャヒャヒャ~なーにが猫派だよ、思いっきり嫌われてるじゃねーか!」

マックス「こう見えても俺は子供のころに猫を飼っていたんだぞ。名前はエレノアと言って俺に懐いていたんだ」

子供のころ・・・いつの間にか自宅の物置に野良猫が住み着いていた。

元々人懐っこい猫で、エサをやっているうちに、いつの間にか物置から家の中に移り住んで、そのまま我が家の飼い猫になっていたのである。

エレノアの最大の特徴は、普段から尻尾をピンと垂直に伸ばしたまま歩くことである。

マックス「あの頃はエレノアと遊ぶのが楽しくて、学校が終わったらダッシュで帰ってたな。俺が昼寝していたら、いつの間にかエレノアも俺の横で昼寝してた・・・なんてこともあったなぁ・・・」

今は殺伐とした人生を歩んでいるマックスにも・・・子供の頃は幸福な時期もあったようだ。

 

マックス「もしもあの時・・・」

 

スカーフェイス「おい、マックス!あっちにもう一匹いるぞ!」

マックス「ん?・・・よし!今度こそ!」

そういって猫に近づくマックスであるが・・・

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マックスが近寄って来るのに気付いた猫が警戒してマックスを睨みつける。

マックス「う!?思いっきり警戒されている・・・」

スカーフェイスダメだこりゃ

 

あまりのショックに肩を落としてトボトボと歩き出すマックス。

どのくらい歩いただろう。

スカーフェイス「ん?なんだありゃ?」

マックス「何か動物の檻だな。何を飼っているんだろう?」

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檻の中に居たのは・・・

マックス「ヤギ・・・だと!?」

スカーフェイス「ヤギだな」

マックス「何故・・・ヤギ?」

スカーフェイス「ヤギと言えば・・・」

マックス「ヤギと言えば?」 

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スカーフェイスジンギスカン!!

マックス「ジンギスカンは羊じゃねーか!」

スカーフェイス「似たようなもんだろ?食ったら美味いぜ!」

既に食う気満々のスカーフェイス

マックス「やめろ・・・」

 

(省略)

 

こうしてマックスは、スカーフェイスの魔の手から命がけでヤギを守り切ったのである。

その後もいろいろあったのだが・・・とりあえず解散することになった。

 

そしていつものように暗闇の荒野へと一人姿を消すマックス。

その後、マックスの姿を見たものは誰もいない。