アイツが天国から還ってきた 夢幻のマッドマックス Millennium編

The goal of all life is death. 凄惨な事故による心肺停止状態から仮初めの命を与えられ、アイツが天国から還ってきた。アイツは夢か幻か?だがアイツは残り少ない時間を自ら削って死に急ぐ。これはアイツの命が燃え尽きて灰になるまでの記録である。この命の終焉の刻まであと僅か・・・全ては時の中に・・・

もみじシクロクロス第1戦#02 マッドマックスの叫び

The battle will bigin now...

       Courage and power to me...

 

 

C1、C2、CM1のカテゴリーが同時スタート

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マックス「行くぜ、カイン」

ホールショットを決めるべくスタートダッシュするマックス。

だが、低速ギアでトルクを掛け過ぎたために砂利を巻き上げ、タイヤは空転してしまう。

 

マックス「しまった!」

 

マックスがもたついている間に、C1の選手を先頭に他の選手たちがスルスルと前に出ていく。

スタート直後から順位を落としてしまったマックスだが、直ぐにシフトアップして追撃態勢に入る。

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砂利道の走行は初めてのため、その走り方がわからずとりあえず前の選手のラインをトレースする。

マックス「ミスったぜ・・・速く前に出ないと・・・」

 

スタートダッシュのミスで焦るマックスが、さらにシフトアップして前の選手との差を縮める。

しかし、コーナーに入るとオーバースピードでアウト側に大きく膨らんでしまう。

 

マックス「チッ!!」

 

リアブレーキをかけてテールスライドさせて強引にコーナーを曲がるマックス。ドリフトとは違って、テールスライドはバイクのリアタイヤをロックさせてタイヤを滑らせることでバイクの向きを変えるテクニックだ。

 

しかし、このミスで再び前走者との距離が開いてしまう。

 

マックス「落ち着け。焦ってはダメだ・・・とりあえず1周様子を見よう」

 

冷静さを取り戻したマックスは、無駄な体力を使わない走りに切り替える。

そうしている間にも先頭のC1選手がグングンと差を広げていく。

流石に最上位カテゴリーの選手はパワーもテクニックも遥か上だ。

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そして上り坂区間に突入する。

このクラスの選手になると、この上りも難無く突破してしまう。

マックスもシフトダウンしてガリガリと坂を上っていく。

路面の所々に赤色のペイントが施してあるのだが、これは切り株の注意喚起のためのものだ。

多くの切り株を縫うようにして上っていき、そして下りも同じく切り株を避けて走る。

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そしてスタート・フィニッシュ地点近くは階段がある。
ここはバイクに乗ったまま突破することはできないので、バイクから降り、バイクを担いで登っていくのだ。

 

自転車レースなのにバイクを担いで階段を上る選手達

 


非常に奇妙な行動が当たり前のように行われている。

因みに、今回のコースにはないのだが、シケインといういわばハードルの様なものが設けてある場合もあり、選手はハードルをバイクを手に持って飛び越えていくのだ。

 

↓参考のため別のレースのシケインの写真を掲載します。

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そして飛び越えたら間髪入れずにバイクに飛び乗って加速していくのである。

このように障害物競争のようなことも行われるのがシクロクロスだ。

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この階段をクリアするのはかなりキツイ。

周回を重ねると本当に嫌になってくる。

こんなところに階段作った奴は誰だ!?と苦情を言いたくなるくらいに。

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1周回が終わった段階ではマックスの順位は変わらず。

 

マックス「よし・・・次の周回でしかけるぞ」

 

このコースで一番長いストレートで一気に加速していくマックス。

前走者との距離が縮まり、射程距離にとらえる。

そのポジションをキープしてしばらく追走する。

前走者の直ぐ後ろについてプレッシャーを与え続けてミスを誘う作戦だ。

予想通り、前走者がチラチラと後ろを気にしている。

その状態のまま、あえてしかけることなく上り区間に入る。

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下りきったところいは土手があり、その直後にキツイ左コーナーがある。

マックスの予想どおり、前走者が低速でイン側のラインを走っている。

 

マックス「チャンスだ!!

 

マックスは下りのスピードを活かしてコーナーのアウト側へ飛び込むと、再びテールスライドでバイクの向きを左に変えて鋭角にコーナーを脱出する。

そして、そのまま加速して次のコーナーへ飛び込んでいく!

 

マックス「オーバーテイク!!見たか!スカーフェイス!カイン!

 

マックスの叫びがコースに木霊する。