射手座A*に魅かれて #4
【射手座A* シェイクダウン】
天候晴れ、気温32℃
相変わらず暑い日が続く中、サイクルジャージに身を包んだマッドマックスが格納庫の外で待機している。落ち着かないのかボトルの水をまた一口飲むマックス。
マックス「ふう・・・今日も暑いな」
右手に持っているボトルの水は既に半分以上無くなっている。
暫くすると、格納庫のシャッターが上がっていく。格納庫の中からモンティナが1台のロードバイクを押しながら出てきた。マックスはその様子を無言で見守る。
そのロードバイクのフレームを触り、ハンドルポジション、ブラケットの具合を確かめるマックス。
マックス「・・・ようやくお出ましか・・・可愛い子ちゃん!!」
マックス「イヤッホーーーーーーー!!!!!」
いつもと何も変わらないホームコースを2台のバイクが駆け抜ける。ただし、マックスが駆るバイクはいつもと違っていた。
殆ど無地に近い漆黒のフレームカラー、フロントフォークの内側が青色に白抜きのKOGAのロゴがあるのみという至ってシンプルなデザイン。
【MAD-MAX New Machine specification】
◆Frame :KOGA A-LIMITED 2017
Completely hand-built "extreme lightweight" Smooth TIG-welded frame.Tubes manufactured in triple-hardened and tapered triple-butted 6069 aluminium.
◆Color: Imitation Black
◆Front fork:Koga - Full Carbon UD
◆Engine:MAD-MAX
◆Component ALL 105
マックス「さすがKOGA!!さすがカーボンキラー!!さすがA-LIMITED!!反応が良いね!!」
左右に大きくバンクさせながら思いっきりペダルを踏んでも弾けるように加速する。
モンティナ「おい、マックス!初ライドなんだからもう少し手加減しろって!まだバーテープも巻いてないんだぞ!!!」
マックス「ヒャッハーーーーーーー!!!」
モンティナ「ダメだこりゃ・・・」
上りが終わり、今度は下り・・・ダウンヒルの性能テストに移るマックス
モンティナ「マックス!下りは慎重に・・・・っておい!!」
マックス「イヤッホーーーーーーー!!!!」
下りを猛スピードで駆け下りていく。
マックスが頭の中で思い描いた走行ラインから全くズレることなく、下りの高速コーナーを矢のように駆け抜けるKOGA A-LIMITED。
マックス「ワオ!!このフロントフォークも最高だな!細いけど狙った通りのラインを走ることができる!!ヒャッハーーーーーー!!!!!」
そしてホームコースを走り終わったマックス。
モンティナ「どうだった?初乗りの感想は?」
マックス「・・・・・お尻が痛い・・・というか、お尻が2つに割れた・・肩も痛い。路面からの突き上げが半端じゃないな。走り始めは良いけど、距離が延びると結構来るぞ・・・こりゃあ」
モンティナ「カーボンキラーなんだから当たり前だっつーの!それをなんとかしたいならハイエンドフルカーボン買うしかないぞ」
マックス「そんな予算は無い・・・だけどこのままだと痔になりそうだよ」
モンティナ「大丈夫だ、直ぐに慣れるさ。そのうち痛みが快感に変わるかもよ?」
マックス「路面の突き上げが快感に?・・・いや、俺にそんな趣味はない!」