九州チャレンジサイクルロードレース#2 【天国へのバンジージャンプ】
2週間前のきらら浜サイクルミーティングで広島勢・九州勢にやられてしまったマックス。やられっ放しでは面白くない、ということで、今度は無謀にも九州に単身乗り込んで復讐戦を計画したのである。
そんなこんなでハイレベルな九州チャレンジサイクルロードレースの「エキスパート」と「実業団登録クラスマスターズ」に同日ダブルエントリーしたのである。
スカーフェイス「正気か?」
マックス「いや、だから俺はマッドなんだってばよ」
スカーフェイス「しかも同日開催の2つのレースにダブルエントリーなんて無謀なことを何故やっちまったんだ?」
マックス「だってさ・・・熊本県まで前泊で遥々遠征に行くんだぜ?どうせなら熊本県を満喫したいと思うだろ?」
スカーフェイス「気持ちはわかるが欲張り過ぎだ。いい加減にしとかないと、そのうちマジで天国に逝っちまうことになるぞ」
因みに、エキスパートが午前中に行われ、午後一番に実業団登録クラスマスターズが開始される予定だ。
モンティナ「まあ、やっちまったものは仕方ない。インターセプターのテストにもなるし良いんじゃないか?」
スカーフェイス「あれ?きらら浜CMで使ったルイガノはどうしたんだよ?マックスの得意技の初心者偽装はしなくてもいいのか?」
モンティナ「ルイガノで初心者偽装しても、それが役に立つ場面まで辿り着けないと意味が無い。九州チャレンジロードレースにルイガノで出場したら、スタート直後に集団から千切られて失格になるぞ」
スカーフェイス「なるほど、セコイ作戦を実行するだけの余裕が全くないわけだな。それでインターセプターを使って最初から全開走行するってことか。珍しくクリーンな作戦だ。感心したぜ」
レース当日(レース会場)
土曜日は学生のレースを見学してから人吉市に宿泊したマックス。会場で受け付けを済ませると、とりあえず試走に出発することにした。
コースはスタート直後から緩やかな上り坂になっており、直ぐに左折して大きな橋を渡ることになる。この橋も緩やかな上り坂であり、橋を渡り終わると長い下り坂が待っている。暫くは平坦な道が続くが、この道には多数のマンホールやグレーチング、小石、凹凸があって油断ができない。その後、幅3メートルくらいの細い橋を直角に曲がり、渡り切ってから更に直角に曲がることになる。この橋はかなり危険であるため十分な減速が必要だろう。
後半は、川の反対側をスタート地点へ向けて戻っていくルートになる。実業団登録クラスのコースはこの途中にあるヘアピンカーブを曲がってから20%近いダウンヒルをして、これまた幅3メートルくらいの細い橋を曲がることになる。
私は20%の上り坂は好きではないが、別に怖くは無い。しかし、20%の下り坂とその直後の直角コーナーの組み合わせは本当に怖い。この下り坂を集団で全速力で降りていくと思うと・・・いやあ~逃げたくなってきたな。本気のダウンヒルって怖いのよ・・・例え命知らずのこの俺でもね。
ダウンヒルの後は、細い荒れた道を川沿いに走っていくことになる。ここにはグレーチングや砂が浮いた道路があり、まったく油断できない。しかも、直角コーナーやヘアピンカーブが複数あって集団走行でのライン取りが非常に難しい。大きなグレーチングにはゴム製のシートが敷いてあるが、コーナーにある場合はシートがズレて非常に恐ろしい・・・。
その後、短い上りの後に直ぐに下ってから平坦な道を進んでいくと、このコース最大の上りが待っている。この坂は距離は短いが斜度は20%程度ありそうで脚にくる。
この激坂をクリアするとトンネルがあり、そこを抜けるとバンジージャンプができる設備がある橋を渡り、緩やかな上り基調のホームストレートへと続く。
モンティナ「試走おつかれさん。コースはどうだった?」
マックス「実業団用のコースがヤバイわ・・・ヘアピンカーブ直後のダウンヒル、そしてダウンヒル直後の細い橋を直角に曲がるところが怖すぎる。一人でゆっくり走っても怖いのに、レースで集団走行しながらダウンヒルするとなると・・・下手すると川にダイブすることになるぞ」
モンティナ「川で泳ぐにはまだ肌寒いな。3月だし風邪ひくから泳がない方が良いと思うぞ。それとバンジージャンプの橋からはダイブしない方が良いな。多分死ぬぜ」
マックス「ご忠告ありがとよ・・・家でテレビでも見てればよかったぜ」