山口シクロクロス#4 【夢の中へ】
探し物は何ですか?
見つけにくいモノですか?
カバンの中も机の中も
探したけれど見つからないのに
まだまだ探す気ですか
それより僕と踊りませんか
夢の中へ夢の中へ
行ってみたいと思いませんか?
レースも終わり、ウォルターからウィンドブレーカーを受け取って撤収準備に入ろうとした・・・その時である。
そう、この時に私は本当の地獄に落ちたのだ。
マッドマックス「・・・・・・あれ?・・・・」
サイクルジャージのバックポケットを触るが空だ。
マッドマックス「・・・」
もう一度バックポケットを触るが、やはり空っぽだ。
マッドマックス「・・・・無い。クルマの鍵が無い」
ウォルター「・・・・はい?」
クライシス「えええ!?」
ローリングスター「え!?」
マッドマックス「コースのどこかに落としたんだ・・・」
自分自身、顔面から血の気が引いて行くのがわかる。
デレデレデレデレデレデレ、デレン、デレン♪
頭の中ではドラゴンクエストの呪われた時のBGMがエンドレスで鳴り響く
コースのどこかで落としたのだ。
どうする!?探すか?このコースを隅から隅まで探し歩くか?というか、見つかるのか?コース広すぎるよ・・・。
それとも、スペアキーを取りに帰るか?俺は一体どうすればいいんだ?
ウォルター「どこで落としたか覚えてないですか?」
マッドマックス「落とすとしたら落車したところかな・・・とりあえず探して来よう」
生きた心地がしないが探すしかない。レースが終わって無人になったコースに向かって歩き出すマッドマックス。もう泣き出したい衝動を堪えながら歩を進める。
マッドマックス「えっと、あの辺りで落車したよう・・・あ、見つけた」
地獄の果てまで鍵を探す旅に出る覚悟で歩き出して10秒でコース上に落ちていた鍵を見つけることができた。これってどんな奇跡?
クライシス「ええ?もう見つけたの?凄い!奇跡だ!!」
ローリングスター「よかったですね!本当に良く見つかったもんだ!」
ウォルター「スゲー・・・奇跡にも程がある。落ち葉ゾーンで落としていたらもう見つけることは不可能でしたね」
マッドマックス「いやあ~生きた心地がしなかったよ・・・もうね、列車で帰ってとかいろいろ頭を駆け巡って・・・はあ・・・見つかってよかった。シクロクロスはバックポケットに物を入れてはダメだな・・・・学習したよ・・・」
その後、4人で近くのラーメン屋「ラクテン」に行ってガッツリラーメンを食べ、再びリフレッシュパークに戻ってからお汁粉を頂く。
この寒い中、朝早くから応援&写真撮影のために来てくれたクライシスとウォルターとはここで別れて、マッドマックスとローリングスターは小天狗の湯で温泉活動してから帰ることになりました。
クルマの鍵があのまま見つからなかったらと思うと今も震えが止まらない。持ってきたバイクがロードバイクなら普通に走って帰れるけど、シクロクロスで帰るのは嫌すぎるからなぁ~。
そしていつもの如く暗闇の荒野へと姿を消すマッドマックス。その後、マッドマックスの姿を見た者は誰も居ない。