マッドマックスの夏休み シーズン2 #2
【ちったあまともに考えろ!】
諸々の事情で遅れたウォルターが到着していよいよライドスタート。
今回の参加者を紹介しておこう。
クライシス:醤油
ウォルター:塩コショウ
フルクラー:醤油+粗びき塩コショウ
デイジー:和風ドレッシング
マックス:ソース
以上だ。
しかし、これでは何が何だかさっぱりわからないので補足しよう。
クライシス:様々なチームに所属して活躍しているヒルクライマー
ウォルター:某メジャーヒルクライム経験者なのに一般人を自称する往生際の悪い人。動画撮影班。
フルクラー:イベント企画担当。機材マニア。ウォルター同様に動画撮影班にも所属する。
デイジー:某実業団ジャージ、フェニックスSL、ヒルクライマー、酔拳の使い手という危険人物。暴走すると辺り一面焼け野原になるとか、ならないとか。
マックス:優しさで世界を救う活動を実施中のケアロボット見習い。数日前まではマッドマックスと呼ばれていた。
マックスを先頭に、某温泉施設から海岸へ進む。瀬戸内海の島特有の綺麗な景色が広がっている。天気は雲っており、数時間後には雨の予報が出ているのが気になるが、気温は低めで涼しく、ライドには最適のコンディションである。
そこから島の南側の平坦基調の道を西へと進む。巡航ペースを時速〇〇キロに設定して先頭を走るマックスは2つのプレッシャーを感じていた。
1つはウォルターのヘルメットの上のビデオカメラと、フルクラーのクイックリリースに取り付けられたビデオカメラである。この2名は、マッドマックスの詐欺行為の決定的瞬間を撮影すると豪語しており、尻尾を掴まれないようにしなければならない。
もう1つは、危険人物デイジーの無言の圧力であった。今のところ、平坦では大人しいのだが、私の直感では上りになった瞬間に牙を剥いて遅いかかって来るに違いないのだ。
集合時間が遅めであったため、スタートして速い段階で昼ご飯を食べることなっており、そのお店が最初の目的地だ。陽気な風に包まれて海岸沿いを駆け抜ける。
しばらくするとやはり上り坂が現れた。それほど急な坂ではないが、これで危険人物デイジーの本性がわかるだろう。
マッドマックスはギアを落とし、高ケイデンスで上って様子を見ることにした。
マックスに続いてデイジー、フルクラー、ウォルター、クライシスも難なく付いてきている。上りきった時、私の後ろに付いたデイジーの様子を見ると・・・案の定全く疲れた様子などなく余裕でついてきていた。
走り方を観察すると、どうやら低回転でトルクをかけて上るタイプのようだ。
マックス「さすが余裕で付いてくるね」
デイジー「あはは、これくらいなら全然余裕ですよ~」
マックス「・・・・あれ?」
チェーンリングを見るとどうやらアウターで上ったようだ。しかもコンパクトクランクではなくノーマルクランクである。やはりマックスの予感は的中したぞ。デンジャラスだ・・・デンジャラスデイジーだ。
マックス「・・・いつもアウターで上るの?」
デイジー「インナーにチェンジするタイミングがわからないんですよ~。数か月前にロードバイク買ったばかりなので」
マックス「・・・はい???初めて買ったのがそのリドレーのフェニックスSLということ?」
デイジー「そうなんですよ。県外のお店で買って組み立ててもらったんです!」
どうみても初心者が最初に買うようなバイクには見えないのだが・・・しかもいきなりフレームセットで買うとは・・・世の中は広いぜ。
マックス「じゃあさ・・・そのジャージはどうしたの?」
デイジー「ああ、これですか(笑)これは貰いものなんですよ!」
某実業団ジャージを貰った?うーん、よくわからないが、そういうことか。
そろそろ最初の目的地へ到着する時間だな。
そう思っていると、道路の両側に沢山の幟が立っている所を通りかかった。
なんだか掘り出し物のお店のように思えたマックスはこの店でいいんじゃないか?と思って、皆に「ここに行こうぜ!」と指差したのだが却下されてしまった・・・残念!
それから間もなく、最初の目的地へ到着したのである。