九州チャレンジサイクルロードレース#7 【自転車乗りはみんな友達!!トムとジェリーとマックス】
第一コーナーを曲がったところの橋を2人の選手が走っている。
カーボンディープの青いエアロロード乗りのジョン(仮名)
競輪選手のような体格の選手トム(仮名)
パッと見で2人が共闘しているようには見えない。
ここまでマックスは単独で走っており、既に体力の限界が近い。
マックス「スタッフが先頭集団との差は1分と言ってたよ!一緒に追いかけましょう!」
トム「よーし!一緒に追いかけよう!!」
ジョン「私はもう体力の限界で無理だ。先に行ってくれ」
どうやらジョンには追走は無理のようだ。
全てはそこから始まったのである。後にゴールデンコンビと呼ばれるようになったマックスとトムの鬼のような追撃が・・・今始まった。
トムは平坦路が得意なようで、物凄い太腿の持ち主であった。
マックス「トム!細目にローテーションしていこう!」
トム「OK!マックス!平坦は得意だから任せとけって!」
やはり、単独で走るのと2人で走るのでは体力の消耗が抑えられるだけでなく、精神的に心強いのだ。しかもトムとは気が合うらしく、直ぐに打ち解けることができた。
トム「ここに来るまでに接触があってさ、一人落車してしまったんだ。俺の方はなんとか復帰できたんだけどね。あの人大丈夫かな。あとで謝っておかないと・・・で、その後、あの上り坂で手間取ってしまってね。ようやく脚が回復してきたところにマックスが現れたんだよ」
マックス「こっちも単独で走り続けて限界だったところにトムが居てくれて良かったよ!さあ、追撃だ!」
マックスとトムのコンビがコースを爆走していく。
マックスが先頭を牽くときは高ケイデンスで、トムが先頭を牽く時は高トルクで加速する。脚質が全く異なるが息はピッタリである。
そうこうしていると、単独で走行している人を発見する。
マックス「トム!あの人も加えて3人で追走しよう!」
トム「そうだな!仲間に加えよう!マックス!」
その人を通り過ぎる時、ハンドシグナルで列車に乗るように合図するマックス。
合図に気づいたようでトムの後方に付くジェリー(仮名)
こうしてマックス、トム、ジェリーの3両編成の列車が誕生したのである。
マックス「いやあ、仲間っていいな・・・というわけでペースアップするぞ!トム!ジェリー!」
トムとジェリー「オッケーー!マックス!!」
こうして奇妙な列車が先頭集団を追いかけはじめたのであった。