九州チャレンジサイクルロードレース#5 【マックスの死亡フラグ】
日曜日の昼ごろには熊本県の日差しも強くなり気温がグングンと上がってきた。
会場で販売されているジビエドック(鹿肉)とジビエポトフを食べてみたのですが、これが非常に美味しい!鹿肉を食べるのは久しぶりですが、やっぱりワイルドな感じがして良いですねぇ!
マックス「風が強くなってきたな。さて、一仕事終わったことだし山口に帰って寝るか」
そういって車に乗り込もうとするのだが呼び止められる。
モンティナ「まて。午後から実業団登録クラスのマスターズレースが残っているぞ」
マックス「やっぱ走らなきゃダメ?」
モンティナ「ダメ」
午前中のエキスパートが終わってから約2時間後に開始される実業団クラスのコースは非常にデンジャラスであり、レース経験の浅い人が参加すると大変なことになると思われる。
20%くらいのヒルクライムは良いとして、同じく20%くらいのダウンヒルとその終点の直角コーナーが非常にデンジャラスなのだ。しかも路面も荒れており、ラインを外すと高確率で落車してしまうだろう。
レース中は、ダウンヒルでも前後左右に他の選手が混在しており、コーナー手前で減速するにしても、減速し過ぎると後ろの選手が追突してしまうというリスクもあり、曲がれるギリギリのスピードまでしか減速できない。
マックス「熊本県まで遥々前泊して参加してるんだから、もう1レース走ってから帰るか・・・生きて帰れるかわからないが」
スカーフェイス「安心しろ。お前が救急車で運ばれる時は、俺も一緒に乗ってやるよ」
マックス「お前、良い奴だったんだな」
スカーフェイス「俺さ、一度救急車に乗って見たかったんだ。あの中がどうなってるか興味あるね」
マックス「・・・・・・・・・」
モンティナ「マックス、これを食ってから寝とけよ。さっきのレースで脚を消耗してるだろ?」
モンティナが菓子パンの袋をマックスへ手渡す。
マックス「ああ、そうしよう。疲れたよ」
菓子パンを食べてからクルマの中で眠りにつくマックス
モンティナ「死んだように眠っちまったな、マックスの奴」
スカーフェイス「まさか、本当に死んでないだろうな?」
再びマックスが目覚めることがあるのだろうか・・・という不安は置いておくとして、ここに来てマックスの死亡フラグが立ちまくっている。
そして出走サインの時間になった。目覚めたマックスは渋々と広場に向かっていきバイクを並べる。そこには既に多くのバイクが並べられていた。
マックス「皆さん良いバイクに乗っているね。ちょっと見て回るか」
そういって端から順番に見て回るマックス。
一通り見終わってからあることに気が付いた。
マックス「アルミフレームが1台もなかったぞ・・・ということは、アルミフレームでの参加は俺だけ?なんということだ!!なんという格差社会!!」
モンティナ「まあ、マスターズだしな。みんな高級バイクに乗っているのは予想通りだと思うがな」
そしてスタート時刻となり、スタートラインに整列する。
スカーフェイス「マックス!」
マックス「ん?何だ?」
スカーフェイス「・・・死ぬなよ」
マックス「・・・ああ、まだ死なねーよ」
モンティナ「マックス、俺はお前と出会えて本当に良かったと思っている。いろいろあったが、今までありがとう・・・マッドマックス」
マックス「ああ、俺もだ。お前らに会えて本当に良かった・・・いままでありがとう。モンティナ、スカーフェイス・・・じゃあな」