アイツが天国から還ってきた 夢幻のマッドマックス Millennium編

The goal of all life is death. 凄惨な事故による心肺停止状態から仮初めの命を与えられ、アイツが天国から還ってきた。アイツは夢か幻か?だがアイツは残り少ない時間を自ら削って死に急ぐ。これはアイツの命が燃え尽きて灰になるまでの記録である。この命の終焉の刻まであと僅か・・・全ては時の中に・・・

復活の刻 【きらら浜サイクルミーティングTT】

死亡したマッドマックスの名前がスタートリストに載っている真相を確かめるために、モンティナは1人会場へとやってきた。

会場には既に沢山の選手達が集まっている。

モンティナ「どーせ誰かの悪戯にきまっているさ」

そう思いながらも心のどこかで何かを期待している。

キョロキョロと辺りを見渡しながら広い会場を歩き回るがマッドマックスの姿は見えない。

モンティナ「・・・やっぱり悪戯だったな。わかっていたことだが。」

落胆して座り込むモンティナ。

そうこうしているうちに試走の時刻となった。

選手達が次々とコースインしていくのをぼんやりと眺めるモンティナ。

モンティナ「TTバイクか・・・そういえばマックスのTTバイクも俺が魔改造したんだったな。安いアルミのロードバイクをベースにしてさ」

試走している選手のバイクを見ながらマックスとのやりとりを思い出す。

モンティナ「確か・・・フェルトのF95にデダのDHバーとプロファイルデザインのブルホーンバーを取り付けて、バーエンドコントローラーをくっつけたんだったんだよな」

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モンティナ「まあ、もともとロードバイクだからポジション出しは厳しいんだけどさ。安くTTバイクを手に入れたいというマックスの無謀な要求を具現化するにはこの方法しかなかったからな。エアロ性能も完成車とは比較にならないしさ。」

遠くから白いTTバイクがモンティナの方へ近づいてくる。

モンティナ「そうそう、こういう白いTTバイクなんだよ。いつものようにマックスが奇妙な名前を付けてたな・・・」

マックスはバイクにヘンテコな名前を付ける癖があるのだ。

古賀ちゃん、ルイちゃん、といった具合に。

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目の前に、白いフェルトの手作りTTバイクが迫ってきてコーナリングに入る。

モンティナ「そうそう、思い出した。直線番長だ。マックスのTTバイクの名前は直線番長だ。ちょうどあんな感じのバイクだ・・・」

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モンティナ「あれ?この選手のバイクは見覚えがあるぞ?というか、俺が組み立てたんだから間違いない・・・これはマックスの直線番長!?

自らが魔改造した手作りTTバイク直線番長が目の前を走っている。

オレンジ色をベースにしたジャージに身を包んだ選手が駆るのは間違いなく直線番長である。

モンティナ「・・・・ということは、この選手は・・・」

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モンティナ「・・・・・・・・・・まさかアイツか?