EXTRA STORY 記憶の君へ【WHITE ALBUM】
マッドマックスが死んだ。
マックスを一言でいうと・・・おかしな奴だった。
そう、徹頭徹尾おかしな奴だった。
でも楽しかった。
マックスと過ごした時間は楽しかった。
俺たち3人揃えば何が起きても乗り切る事ができた。
俺とマックスと・・・ん?もう1人は・・・誰だったかな?
確かもう1人居たはずなんだが?
・・・思い出せない。
まあ、俺の記憶違いだろう。
もう二度とマックスと会うことは無いと思うと、少しは優しくしてやればよかったと後悔してしまう。
だが、もうマックスは死んだ・・・死んでしまった。
今更悔やんでも仕方がない。
しかし、わかっていても思わずには居られない。
もしもマッドマックスが生きていたら・・・。
今年のゴールデンウィークはカレンダーでは10連休だ。
しかし、小さな町の自転車修理・改造専門店をやってる俺には何の関係もない別世界の出来事だ。
そういえばゴールデンウィークにはきらら浜CMが開催されるんだった。
アイツが生きていたらエントリーしていたんだろうな。
そういえば、アイツはきらら浜CMのクリテリウムでも落車して死にかけたことがあったな。
アイツはいつも生死の境を綱渡りしてばかりだった。
モンティナ「まあスタートリストでも見てみるか」
何の気なしにスタートリストを眺めるモンティナ
上から下へ、ザッとリストを見ていくとある個所で目が釘付けになってしまった。
モンティナ「・・・・・・何の冗談だ?・・・・これは」
そこにあった名前とは・・・。
マッドマックス
モンティナ「そんな馬鹿な。アイツは死んだ、間違いなくマッドマックス死んだんだ・・・」
偽装工作?・・・死んだのは偽物のマッドマックスだったのか?
モンティナ「いや、埋葬には俺も立ち会ったんだから間違えるはずはない。アレは紛れもなくマッドマックスだった」
死んだはずのマッドマックスの名前が何故かスタートリストに掲載されている。
この世にも奇妙な出来事にモンティナの頭が混乱する。
モンティナ「誰かの悪戯か?いや、悪戯にしては性質が悪すぎる・・・しかも」
更にモンティナを驚愕させる文字を発見する。
今度はいったい何を見つけたのか?
モンティナ「クリテリウムだけじゃない・・・タイムトライアルのスタートリストにま
でマッドマックスの名前が掲載されているじゃないか」
茫然自失となってしまうモンティナ。
死んだ人間がクリテリウムとタイムトライアルにダブルエントリーしている。
モンティナ「こ、これは・・・夢か?幻か?」
もしかしたらアイツが生きていたのでは?
絶対にありえないとわかっていてもそう願わずにはいられない。
モンティナ「と、とにかくだ・・・アイツが生きているはずがないのは間違いないんだ。何かの冗談にきまっている。」
死んだはずのマックスの名前が何故スタートリストに掲載されているのか?誰かの悪戯に決まっていると理性では理解しているモンティナだが、真相を突き止めたいという欲求に勝つことはできそうにない。
モンティナ「いいだろう。誰の悪戯かはわからんが、騙されたと思って見に行ってやる。生きているはずがないのはわかっているんだ・・・でも・・・」
もしかしたら・・・アイツが今もどこかで・・・
絶対にそんなことはないのに、心のどこかでそう期待せずにはいられないモンティナであった。
モンティナ「スタートリストにマッドマックスの名前が掲載されていた謎を解くために、お前も一緒に見に行くだろ?・・・・あれ?」
そう言って辺りを見渡すモンティナ。
しかし、モンティナの周囲には誰も居ない。
モンティナ「・・・俺はいったい・・・誰を誘おうとしたんだ?」