【もみじシクロクロス第4戦】#01 甦る悪夢
今回で3回目の出場となるもみじシクロクロス。
第3戦までは砂利セクションのテクニックステージタカタだったが、今回はモトクロスコースであるテージャスランチで行われることとなった。
初めて走るコースであるため、慎重に試走を行うことにした。
コースの外観を見た瞬間に、今まで参加したシクロクロスのコースの中で最大の広さであることがわかった。
コース設営にかかった労力を考えるとスタッフの皆さんに頭が下がります。
スタートしてから少し平たん路を走ると、このコース最大の斜度、長さを誇る上り坂が現れる。
ここはフロントをねじ伏せながらリア荷重で上らないと、リアタイがスピンしてしまうので要注意だ。
その後、急な下り坂があるのだが、ここには地面から石が突き出ているだけでなく、そこら中に石が転がっているので落車の危険がある。
もちろん、石を踏みつけたら簡単にパンクするだろう。
下りが終わると今度は短いが急な上り座がが出てくる。
ここはそんなに難易度は高くない。
そこから円を描くよう走っていく。
その後、このコースで最も落車、パンクの危険が高い長くて急な下り坂が待ち構えている。
ここで落車すると石や岩で大怪我を負ってしまうだろう。
何があってもここで落車するわけにはいかない。
下手すると帰りにクルマを運転できなくなってしまう。
パンクのリスクも高いので上手くブレーキを使ってスピードコントロールして下る必要がある。
そしてしばらくは難易度の低いコースが続く。
その先・・・このコース最大の特徴である巨大タイヤが選手を待ち構える。
モトクロスコースということで、人為的に作られた巨大な凹凸や地面に埋め込まれた大木なんかも常設してあり、ミスるとクランクやチェーンリングが接触してメカトラブルを起こしてしまうのだ。
そして、悪いことに前日まで降っていた雨のせいで、沼地ができている。
ここはスピードが落ちるとタイヤが埋まってしまって動けなくなるので注意が必要だ。
しかし、レースの直前に必ず雨が降るのは何故なんだろう?
レース当日が雨よりははるかにマシなのだが・・・こう続くと呪われているとしか思えない。
試走しながらレースのことが思いやられると心配していたのだが・・・そこに1人の選手がやってきた。
マックス「何だ!?あのシマウマは?」
それは・・・ゼブラジャージを着た選手だった。
それを見た瞬間に、直感的に只者ではないというプレッシャーを感じた。
事実、物凄い速さでコースを走り抜けていく。
ゼブラジャージ
この単語に俺の記憶が徐々に蘇ってくる。
昨年のシクロクロスで広島遠征したときのことだ。
その時も強烈なデザインであるゼブラジャージが俺の目に留まった。
一見お茶目なジャージで、「愉快な走りをするのかな?」と思ったのだが・・・とんでもない。
レースが始まった瞬間にゼブラジャージを着た2人が一気に前に出て、見る見るうちに後続との差を広げていくではないか・・・。
完全に侮っていた俺は、ゼブラチームに手も足も出ないまま完敗したのだった。
まさに相手にならない程の実力差があったのだ。
その時の苦い思い出・・・いや、悪夢がリアルに蘇ってくる。
今回はどうやら一人で参加するようだ。
シマウマジャージのデザインに騙されて痛い思いをしたあの経験が再び再現されるのか?
マックスの前途に早くも暗雲が立ち込める。