アイツが天国から還ってきた 夢幻のマッドマックス Millennium編

The goal of all life is death. 凄惨な事故による心肺停止状態から仮初めの命を与えられ、アイツが天国から還ってきた。アイツは夢か幻か?だがアイツは残り少ない時間を自ら削って死に急ぐ。これはアイツの命が燃え尽きて灰になるまでの記録である。この命の終焉の刻まであと僅か・・・全ては時の中に・・・

【もみじシクロクロス第4戦】#02 ブラックウィング

スタート5分前

 

招集された選手がスタートラインに並んでいる。

そこには・・・当然あのゼブラジャージの化け物選手の姿が見える。

その表情は終始笑顔で余裕の表情だ。

去年の悪夢を思い出してプレッシャーに押しつぶされそうになっている俺とは大違いだ。

 

スタート3分前

 

マックス(これじゃあ闘う前から負けてるな。最初から・・・俺に勝ち目なんかないじゃないか)

 

完全に弱気になってしまったマックス。

他の選手も余裕の表情を見せている。

緊張しているのはマックスただ一人。

 

スタート1分前

 

マックス(いや、恐れるな・・・俺にはは・・・)

少しの間・・・青空を見上げる。

 

そしてスタート

 

KONAのクリートキャッチに成功し、ホールショットを決めるマックス

そしてギアをトップまで上げて加速していき、そのまま上り坂に突入する。

上り坂中盤までトップに居たのだが、別のラインから追い上げてきた1人の選手に抜かれてしう。

 

マックス「しまった!」

 

そのまま上り区間が終わって次のセクションへ。

マックスを追い抜いたその選手は・・・案の定ゼブラジャージの化け物選手だったのだ。

マックスの脳裏に敗北の2文字がチラつく。

 

マックス「俺に勝ち目なんか最初からなかったのか?」

 

前のシーズンでボロボロに負けた記憶が鮮明に蘇る。

 

マックス「俺のような死にぞこないが勝てる相手じゃなかったか」

 

すっかり弱気になるマックス。

マックスの前をゼブラ選手が走っている。

距離は・・・まだそれほど開いていない。

射程距離内に収めている。

このまま諦めるか、それとも追いかけるか・・・。

その時、何かが聞こえた気がした。

 

マックス(・・・翼音?)

 

カイン「・・・ただひたすらに進むがいい・・・まっすぐに・・・前へ」

黒い羽根が空中を舞う。

 

マックス「1歩前へ!!!

 

頭の中で描いたラインにバイクを載せ、シフトアップしてペダルを強く踏み込む

あれだけ恐れていたゼブラジャージの選手のバイクを一気に追い抜いて、再びトップに出たマックス。

 

マックス「まっすぐに前へ・・・1歩前へ!!

 

加速

 

まるで翼を得たかのように加速していくKONAとマックス。

 

ファーストラップをトップで通過し、そしてそのまま2位以下を大きく引き離してトップでゴール。

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これでもみじシクロクロスに3回参加して、3勝をあげることに成功。

奇跡・・・まさに奇跡のような好成績

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前シーズンの闘いで完膚なきまでに叩きのめされた記憶が蘇り、闘う前から「自分は勝てない」と思いこみ諦めかけていた。

しかし、そんな思いを打ち砕いたのは同じく記憶の・・・。

 

 

マックス(・・・ありがとう、カイン)