【スカーフェイス誕生! 燃え上がる愛編】#03 いつかもう一度俺と・・・・・・
裂けた左頬と口の端から血が流れだしているが、気に留めている様子もなく平然と立ち上がる。
エッジオブナイフ「やっと熱くなってきた・・・・ゼ。続きだ・・・」
カイン「いや・・・もう終わりだ」
エッジオブナイフ「 !! 」
カイン「俺の負けだよ・・・」
あっさりと自ら敗北を認めるカイン。
エッジオブナイフ「・・・そんな・・・馬鹿な」
不完全燃焼のままカインが呆気なく負けを認めてしまったため、全く納得がいかない。
何度か再戦を求めて食い下がるが、カインは自らの敗北を譲らない。
しばらくの間・・・対峙したまま2人とも動かない。
エッジオブナイフ「・・・だから・・・いつか・・・」
冷たい風が傷ついた左頬を撫でる。
エッジオブナイフ「いつかもう一度俺と・・・・・・・・」
そして月日は流れ・・・ある満月の夜。
湖畔に佇むカインとその傍に座り込んで水面を眺めているスカーフェイス。
スカーフェイス「いつかもう一度俺と・・・・・・・・」
そう呟いてから長い溜息をつく。
スカーフェイス「フゥ~~~~、あの時の俺は何熱血していたんだろうなぁ」
カイン「ああ、お互いに」
スカーフェイス「思えば俺も若かった」
カイン「あれから何年も経つが・・・結局やっていないな」
スカーフェイス「体はともかく心はオッサンだからさぁ。今さら面倒でなぁ。もうだるいし、つかれるし」
カイン「そうだな・・・お互い年だし・・・もう現役引退か?」
スカーフェイス「いいねぇ!日がな1日、酒くらって寝るか!!」
時は流れて現実の時間軸へ
場所はどっかの道端
そこに座り込んで一人語りするスカーフェイスと、ドン引きしながらも黙って聞き続けるマックス。
因みに、スカーフェイスの昔の名前が「エッジオブナイフ」ですので・・・念のため。
まあ、ナイフみたいに尖っては触るものみな傷つけたから・・・かな?
さらに因みに、マックスが天国へ逝く前の名前は・・・ブログのどっかに詳しい説明があったような気がするので暇な時にでも探してください。
スカーフェイス「おしまい」
マックス「・・・・・・・・」
どう答えていいのか、まったく思い浮かばないマックス。
スカーフェイス「これで俺の左頬の傷の謎が解けただろ?」
普通にわからんだろ?
マックス「どこから突っ込んでいいのかは解らないんだが、カインといろいろあったことだけは解ったような気がするよ」
スカーフェイス「それだけ理解しとけば上出来だ」
完全にマウントをとって勝ち誇るスカーフェイス。
そして、良くわからない上から目線でなんだか負けたような気分になるマックス。
マックス「俺とお前とカインがいた頃は彼方此方に突撃しては、いつも生死の境を彷徨ってばかりだったけど・・・楽しかったよ。偶にウンザリすることもあったが・・・楽しかった」
スカーフェイス「まったくだ。アレじゃあ命がいくつあっても足りないぜ。本当に無茶ばかりやってたからな。お前とカインは」
マックス「どう考えてもお前が一番危険だっただろ!?」
スカーフェイス「そうでもないぜ。それに、結局のところカインとの勝負は永久に決着を付けられなくなっちまったからな」
マックス「・・・」
スカーフェイス「いつかもう一度俺と・・・・・・・・」